検証ECビジネス ネットショップのその後

<検証ECビジネス ネットショップのその後>最終回 即納コム

2002/12/23 16:51

週刊BCN 2002年12月23日vol.971掲載

 ネットショップ「即納コム」は、今年12月末をめどに株式会社化する。社名は、「トライスリー」とし、サイトも大幅にリニューアル。顧客の拡大を目指す。同サイトは、パソコン本体および関連商品の販売を手がける卸業者が通信販売部門として2001年12月に立ち上げた。通信販売部・小林拓哉氏は、「これまで『屋号』としてビジネスを展開してきたため、なかには信頼できずに購入しない消費者もいた。株式会社化はサイトの信頼性を高めていくことが目的」と話す。

12月に株式会社として独立 サイトの信頼性を高める

 顧客はパソコン上級者が大半を占める。今後は、既存顧客の囲い込みに加え、中級者や初級者、女性をターゲットとする。「誰もが購入しやすいように、分かりやすくシンプルなサイトに仕上げる」としている。商品に関しては、新規顧客の拡大のため、パソコンや関連商品の枠だけにとどまらずに、日用品やスポーツ用品、化粧品、健康食品などの商品を揃える計画。「03年早々には仕入先を開拓したい」意向だ。サイトでは、パソコンをはじめ、デジタルカメラやプリンタなど約3000アイテムを揃える。

 商品を購入する際は、無料の会員登録を行う。注文は、商品を購入するための「カート」を付け、サイトですべて完結できる仕組みとした。電話やファクスでも注文を受け付ける。1か月のアクセス数は、平均で約1万8000件。1か月の売上高は3000-5000万円。

 特徴は、「即納コム」の名の通り翌日納品を徹底していること。「卸業者が本体であるため、在庫を確実に揃えている。迅速に納品することで、顧客の信頼は向上している」という。

 インターネットについては、「現段階では、サイトで購入する層が限られているが、ブロードバンド環境が普及するにつれ、今まで以上に多くの消費者がサイトで購入するだろう。さまざまなビジネスチャンスがある」と強調する。一方で、「価格競争が激しく、付加価値をつけるなどの工夫を凝らさなければ淘汰されてしまう」と危惧する。同社にとって初年度となる今年度は、「利益がトントン」の見通し。来年度は黒字化を見込む。(佐相彰彦)
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外部リンク

http://www.soku-nou.com/