日本の店長

<日本の店長>第1回 大塚商会 αランド八重洲 唐澤昌幸店長

2003/01/06 18:45

週刊BCN 2003年01月06日vol.972掲載

 パソコン需要が厳しい状況下にあっても、あの手この手の工夫を凝らし、踏ん張っているショップの店長がいる。新連載企画「日本の店長」では、そんな店長の奮闘ぶりを追う。

ビジネスマンをターゲットに

 大塚商会が母体のαランド八重洲(東京都中央区八重洲)は、東京駅から徒歩3分という場所柄、顧客の90%をビジネスマンが占める。

 唐澤昌幸店長は、「顧客は業務でパソコンを使っている人が多い。しかもパソコンを生活の中でもツールとして活用したいというニーズが高い。スペックなどの機能を説明した接客ではなく、顧客のニーズを聞き出し、それに対して提案する接客を徹底する」と話す。

 1日の来店客は平均1500-1800人。リピーターが多く、「『この店員にアドバイスをもらいたい』と訪れるケースが多い。顧客の身になって、『できることはできる』、『できないことはできない』と伝えることが重要。きちんと接客すれば分かってくれる」と強調する。

 正面入り口付近には、パソコン本体とパソコン関連の書籍などを置く。「昼時になると、多くのビジネスマンが店の前を通る。昼食後、ビジネスマンの『少し見てみようか』という意識を高めるために、何気なく見ることができるパソコンと雑誌を入り口付近に置いた」という。

 法人向けの相談コーナーを設置しているのも特徴。システム構築やパソコン企業スクール、リース、請求書による締め支払いなどの相談を行っている。

 商品では、パソコン本体に加え、LAN関連製品が充実している。「会社のオフィスにおける無線LAN環境の相談や、家庭内でのLAN環境などのニーズが高い」としており、インストラクターが訪問し、LANの構築を行うサポートサービスも用意している。

 唐澤店長自身も、店頭で接客するケースが多い。「どちらかといえば、厳しくしかるより、従業員と一緒に店舗を良くしていきたい」という意向からだ。

 月2回のミーティングでは、接客の良かった点や反省点を社員全員で話し合う。

 「ただ単に指摘するだけでなく、良い意見を受け入れる」よう心がけている。

 今後は、パソコンの売上高を確保しつつ、昨年8月から開始した中古パソコンの販売を強化していく。

 「個人顧客に加え、企業からも買い取れるのが当店舗の強み。中古パソコンの粗利は、現在1か月平均で10万円程度だが、近いうちに100万円まで引き上げる」と意気込む。(佐相彰彦)
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