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はがき作成ソフトの市場動向

2003/01/13 16:51

週刊BCN 2003年01月13日vol.973掲載

 すっかり年末のパソコンショップの風物詩となった、はがき作成ソフトの販売だが、昨年末から新年明けにかけては、販売金額、本数ともに前年を上回る結果となった。メーカー各社は例年、9月後半から10月初旬にかけて新製品を発売する。しかし、それで即売り上げが伸びるわけではなく、11月に入って郵政事業庁から新年の年賀はがきが発売になり商戦が本格化し、12月に最盛期を迎えるというのがいつものパターン。2002年末の商戦に関しては、03年の年始商戦で前年を大きく上回る伸びを記録したことが特徴で、年明けになってから年賀状作りの準備をする人も少なくないことを裏付ける結果となった。

年末は前年を上回る売れ行きに

“新年の挨拶は年賀状で”は根強く

 03年のはがき作成ソフトについては、「そろそろ前年割れでは」との厳しい見方が少なくなかった。郵政事業庁の年賀はがきの発行枚数自体も、前年比4%減の38億6500万枚にとどまった。テレビのニュースなどでも、「新年の挨拶も年賀状から、電子メールへと様変わりしていく」と、年賀状に対して冷ややかであった。

 さらに、ソフト自体に対しても思わぬ“強敵”が現れた。年々増加傾向にあるソフト付きの書籍や雑誌の存在である。パッケージソフトだけでなく、ソフトが付いた書籍が多数発行され、「すでに9月時点で、書籍を売り場に並べて年賀状商戦を演出するショップが増加した。発行される書籍、雑誌の種類も増えているので、パッケージソフトの売れ行きにも微妙に影響を及ぼすのではないか」と懸念する声が関係者からあがっていた。それにも関わらず、前年を上回る売れ行きとなったことは、はがき作成ソフトの人気の高さを示すものといえるだろう。

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