店頭市場ピックアップ

携帯オーディオプレーヤーの販売動向 台数で松下電器がトップに

2003/03/31 16:51

週刊BCN 2003年03月31日vol.984掲載

 松下電器産業がアップルコンピュータからトップシェアを奪った。BCNランキングの週次データによると、携帯オーディオプレーヤー市場の販売台数シェアに変化が生じている。直近6週間の台数・金額の週次シェアによると、台数ベースで3月10-16日の週に松下電器が23.2%、アップルが17.2%となり、前週(3月3-9日)のアップル20.2%、松下電器19.6%から逆転。松下電器がトップシェアに踊り出た。

アップルの牙城崩れる

 月次データでは、2月は依然アップルがトップを堅持している。しかし、最近半年間の松下電器の急成長ぶりは、月次データを見ても明らかだ。昨年9月の松下電器の台数シェアは1.4%で、13位と低迷していた。しかし、その後徐々にシェアを伸ばし、今年2月の段階では19.3%まで上昇、2位へと躍進した。アップルは昨年9月には35.6%あったシェアを、2月には24.2%まで落としたことも相まって、2社の差は縮まった。月次ベースでもアップルを捕らえそうな勢いだ。

 もっとも、金額ベースでみると、アップルの強さは揺るぎない。直近の週次データ(3月17-23日)で、松下電器とは24.2ポイントもの大差がある。アップルの「iPod」の価格が他社製品に比べ高めに設定されているため。この市場は、昨年8-9月にアップルがウィンドウズ版などを投入してから独占状態が続いていた。また、それ以前はアイ・オー・データ機器やクリエイティブメディアなどとともに、各社が僅差でひしめき合っていた。

 市場自体は台数・金額ともに前年を大きく上回る成長が見込めるだけに、今後は他社も黙って見過ごすわけにはいかないだろう。松下電器が金額でもトップを取るか。それとも他社製品が台頭し、再び熾烈な争いが始まるか。今後の動向が注目だ。
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