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マザーボードの販売動向 MSIは前年同月比173%の伸長

2003/05/12 16:51

週刊BCN 2003年05月12日vol.989掲載

 初心者でも簡単に扱える安価な「パソコン組立てキット」などの普及で、自作パソコンのニーズが急拡大している。その影響で主力パーツであるマザーボード市場が今年に入って堅調だ。BCNランキングによると、4月のマザーボードの販売台数は前年同月に比べ全体で約2割も増加した。この1-2年は1週間に4000-5000台のペースで販売数が推移していたが、4月28日-5月4日には1週間の実売台数が8000台弱に急増している。

自作パソコン増え需要高まる

 4月のベンダー別では、台数シェア全体の8割を占める上位4社のうち、1位のギガバイトが前年同月比120%、4位のMSIは昨年末に発売の「845GE Max-L」が好調で同173%に達した。2位と3位のアサステックとエーオープンは、この2-4か月は前年割れだったが、ゴールデンウィークの1週間は前年同週比で数%上回る売り上げを記録し、追い上げが見られる。

 売れ筋ベスト10位以内の製品のチップセットは、すべてインテルのペンティアム4向け「Intel 845」系が占めた。CPUをパソコンのマザーボードに取り付けるソケットも「Socket478」搭載型が上位製品に使用されている。ハイエンドな機能を備える一方で、チップセットのマイナーチェンジ版も登場し、比較的購入しやすくなっているようだ。

 マザーボードは新製品への買い替え需要が高まっている。一方でマニアだけでなく、初心者が2台目としてイーマシーンズやソーテックの10万円を切る低価格パソコンを購入する動きが目立っているのと並行し、半完成品の「ベアボーン型」や「キューブ型」の組立てキットが普及。マザーボードの需要も増えたといえる。10月1日から施行される個人向けパソコンのリサイクル制度では、自作パソコンは従来通り各自治体が引き取る。こうした動きがマザーボードの需要にどう影響するのか。10月以降の動向が注目される。
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