店頭流通

エプソン販売 個人向けプロジェクタ販売を強化 500店舗で体験コーナーを設置

2003/09/08 18:45

週刊BCN 2003年09月08日vol.1005掲載

 エプソン販売(真道昌良社長=写真)が個人向け液晶プロジェクタの販売を強化する。年末に向けて全国500のパソコン専門店および家電量販店に体験コーナーを設置。液晶プロジェクタやDVDレコーダ、スピーカなどを置き、家庭で大画面映像を楽しめる提案を行っていく。9月5日には冬商戦向けにプロジェクタの新製品「ドリーミオEMP-TW10」を発売。販売台数は2003年11月-04年1月の3か月間で約1万台を見込んでいる。

 真道社長は、「個人向けのプロジェクタ市場はまだ発展段階だ。そのため、店頭に置いているだけでは消費者の購入意欲が高まらない。家庭でテレビやDVDを映画館のように大画面で楽しめる『ホームシアター』を体験できるコーナーを設置することが重要」と、用途提案の必要性を強調する。具体的には、ショップのスペースを借り切り、音響メーカー5社と共同で家庭での大画面映像の楽しみ方を提案していく。今年8月末時点で200店舗が体験コーナーを設置。年内をめどに500店舗まで増やす。

 同社は、個人向けプロジェクタ「ELP-30」や「ELP-TW100」、「ELP-TS10」などを発売し、家庭での大画面映像を提案してきた。今回の新製品「ドリーミオEMP-TW10」で、「個人需要をさらに開拓していく」(真道社長)としている。同製品は、新開発した480p(プログレッシブ信号)の高精細ワイド液晶パネルと、独自のカラーマネジメント技術「ColorReality(カラーリアリティ)」搭載による高画質、最大1000ルーメンの輝度、広さが6畳の部屋で100型ワイドスクリーンに投写できる短焦点レンズ、リビングや暗室など環境に最適な色調と輝度を選択できるカラーモードなどの機能を搭載している。

 価格は16万8000円と従来の製品に比べ低価格化を図ることで、需要喚起を促す。これまで同社が発売したプロジェクタは、個人と法人双方で活用できる製品として販売していた。今回の「ドリーミオEMP-TW10」は、「企業向けに拡販する予定はない」と、完全に個人向けをターゲットにした製品。「プロジェクタは業務用としての利用が主流になっている。しかし、個人需要を掘り起こし、市場の裾野を広げる」と意気込む。「AV(音響・映像)機器ではDVDレコーダが売れ筋商品になっている。また、今後アナログ放送からデジタル放送に移行するなど、家庭でデジタル映像を楽しむインフラが整いつつある。今年の冬商戦は、デジタル映像への需要が活発化するだろう」と分析している。年間販売目標は3万台。「今年11月から来年1月までの3か月間で約1万台の販売台数は固い」と強気の見通しを立てる。
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