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MS統合ソフトの販売動向

2004/01/12 16:51

週刊BCN 2004年01月12日vol.1022掲載

オフィス2003初速鈍く

年末商戦で盛り上がる

 マイクロソフトの「オフィス2003」は、前バージョンのオフィスXPの発売当初と比較して、発売時の立ち上がりは鈍いものの、発売2か月目からは同比較で増加傾向を示した。オフィス2003の販売が始まった2003年10月27日から04年1月4日までのマイクロソフトの統合ソフト販売実績と、オフィスXP発売当初にあたる01年6月11日から同8月19日までの同統合ソフトの販売実績を、BCNランキングの週次集計データをもとに比較した。

 オフィスXPの店頭用パッケージ版は、夏商戦のスタート期にあたる01年6月8日から販売を始めたのに対し、オフィス2003の同パッケージ版は、昨年の冬商戦が幕を開けようとしていた10月24日から販売を始めた。商戦期の違いがあるため、単純な比較はできないものの、オフィス2003の発売時のマイクロソフトの統合ソフトは、販売本数、金額ともに、オフィスXPの発売時に比べて半分程度しか売れなかった。

 オフィスXPがウィンドウズ98でも動作するのに対し、オフィス2003はウィンドウズ2000SP3以上かオフィスXPでしか動作しない制限があることから、発売のタイミングで販売本数が伸びにくい状況にあった。だが、冬商戦が本格化するにともない、オフィス2003を中心とするマイクロソフトの統合ソフトは、前バージョンの販売推移と比較して急速に伸長。冬商戦でパソコン本体の買い替え需要などが高まっているのに加え、オフィス2003の知名度が上がってきたことが追い風になった。

 今後は、年末商戦で見せた伸びをどこまで維持できるかが、オフィス2003の業績を大きく左右する。BCNランキング統合ソフト部門の12月の月次集計における、マイクロソフトの販売本数シェアは89.0%、金額シェアは96.2%と非常に高い。オフィスソフトなど統合ソフト分野における競合他社の力量が不足しているうちは、シェア拡大を急ぐ施策とは異なり、腰を据えた拡販策に重心を置いていると言える。
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