店頭流通

年末年始のパソコン販売 組立やショップブランドが好調 メーカー製は低迷続く

2004/01/19 16:51

週刊BCN 2004年01月19日vol.1023掲載

 2003年12月29日-04年1月4日の年末年始商戦で、東京・秋葉原電気街のパソコン専門店ではショップブランドのパソコンや組立パソコンが好調だった。ユーザーが自分に合った機能をプライスバリュー重視で購入する傾向が強くなったためだといえる。一方、メーカー製パソコンは依然として厳しい状況。「03年冬モデルで目新しい機能が搭載された機種が少なかった」という声が多くのショップから聞こえている。

 ソフマップは、「年末年始は、メーカー製パソコンの販売が前年同週を10%程度下回る結果だった」(広報担当者)ものの、「“牛丼パソコン”や“バーガーパソコン”などのオリジナルパソコンは堅調に推移した」という。加えて、「DVDレコーダーの売り上げは前年同週の3倍に膨れ上がった。この商品は中古も売れ筋になっていた」と、デジタル家電の需要も拡大していると語る。

 パソコン工房秋葉原店では、「当店で組み立てた完成済みパソコンは人気が高かった。お客さんが価格と機能を照らし合わせて慎重に購入していた」(鈴木啓修店長)と顧客を分析している。

 また、T・ZONE PC DIY SHOPは、「グラフィックスボードなど映像関連機器の販売が依然として伸びており、12月も売り上げが前年同月を上回った。年が明けてからも順調に推移している」(中川純一・1Fサブマネージャー)としており、「最近では、大画面・高品質の映像でオンラインゲームを楽しむというユーザーが多い。そのため、プラズマテレビとパソコンを接続できるグラフィックスカードが売れ筋になっている」と、大画面・薄型テレビの需要増が追い風になっているパソコン以外の要因も大きいという。

 一方、メーカー製パソコンは低迷が続いている。BCNランキングによると、03年12月29日-04年1月4日のパソコン市場は、デスクトップパソコンが台数ベースで前年同週比7%減、金額ベースで同12%減、ノートパソコンが台数で同1%増、金額で同8%減という、極めて厳しい状況だったことがわかる。

「消費者の購入意欲を湧かせるモデルがなかった」という声が多くのショップから挙がっている。特にパソコンメーカーが発売した冬モデルについては、目新しい機能が搭載されていなかったという指摘が多い。

 メーカー製パソコンを激安価格で販売するショップは、「年末年始セールを行って販売台数が前年同週にぎりぎり到達した。これまでと異なり、価格を安くすれば販売が伸びる傾向はなくなったといわざるを得ない」と嘆く。
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