全国ショップ激戦図

<全国ショップ激戦図>15.東京・新宿(中)

2004/02/16 18:45

週刊BCN 2004年02月16日vol.1027掲載

 東京・新宿駅西口のソフマップ新宿4号店が、パソコンやデジタルカメラなど中古品の買い取りと販売を順調に伸ばしている。佐藤裕也店長は、「当社のなかで、新宿地区が最も買い取り件数が多い」と話しており、これが新宿地区の競合店舗との差別化にもつながっている。

ソフマップ、独自路線で差別化

 地下2階─地上4階のフロア構成となっている同店は、地下1階と地下2階の2フロアを中古品の「買取・下取センター」にした。「競合店舗と比べて、丁寧かつ何でも相談できるという点で、お客さんから好評だ」と自信をみせる。

 地下1階では、DVDソフトやテレビゲームソフトを買い取っているほか、初期不良、修理、各種セットアップ、ソフトインストール、点検・診断・設定修正、ウイルス除去、トナーリサイクル、アップグレード、データリカバリなどありとあらゆるニーズに応えるコンピュータクリニックを設けている。地下2階は、パソコンをはじめ、デジタルカメラやPDA(携帯情報端末)、組立パソコン用パーツなどハード機器の買い取りを専門に行う。

 中古品の販売も好調だ。中古ビジネスの売上構成比が新宿4号店全体の40%前後で推移する。最近では、「DVDレコーダーを下取りに出すユーザーが増えている。新品のDVDレコーダーの買い替え需要も拡大している」と、新機種投入ラッシュで買い替え需要も起きているそうだ。年末商戦本番の昨年12月については、新品のDVDレコーダーの売上高が前年同月比3倍以上に膨れ上がった。

 同店は、西新宿1丁目に店舗を構えており、新宿駅西口から徒歩5分の場所にある。だが、目と鼻の先にはヨドバシカメラ西口本店の「マルチメディア館」がそびえ立つ。しかも、新宿駅西口周辺には、ヨドバシカメラのほかにもビックカメラ、さくらやが立ち並ぶ。「カメラ量販店は、初心者層の来店が多いようだ。差別化を図るため、接客ではパソコン専門店として詳しい知識で用途提案を徹底している。競合店舗には比較的少ない上・中級者のリピート率を高めていく」という。このため、来店者は平日と土日ともに30-40歳代の男性が圧倒的に多い、というのも特徴だ。

 「ほかの地区と比べてポイント還元率の競争が激しい」という新宿地区にあって、「低価格化やポイント還元率アップなど真っ向から挑むのは体力勝負になってしまう。独自路線を確立することが激戦区で生き残るためのカギ」と強調する。

 今年度(2004年2月期)の同店の売上高は「昨年度を下回る」見通し。しかし、中古ビジネスが拡大していることで、減収でも「利益を確保できる体制は整っている」と自信をみせる。(佐相彰彦)
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