店頭流通

エプソン販売 個人向けプロジェクタ好調 デジタル家電の需要増が追い風に

2004/03/22 18:45

週刊BCN 2004年03月22日vol.1032掲載

 エプソン販売(真道昌良社長=写真)の個人向け液晶プロジェクタが好調だ。ドリーミオシリーズの販売台数は、主力製品の「EMP-TW10」を中心に1か月平均で約2000台で推移する。液晶やPDP(プラズマディスプレイパネル)などの薄型テレビの普及が追い風となり、ホームシアターにこだわりをもつマニア層を中心に大画面化のニーズが拡大。最近では、戸建て住宅を新築する際、液晶プロジェクタを使ったホームシアタールームを設けるユーザーも増えているという。個人向け製品の需要拡大で、法人向け製品も合わせた液晶プロジェクタの販売台数は、2003年度(04年3月期)で前年度比約23%増の6万7000台となる見通し。

 個人向け液晶プロジェクタ「ドリーミオシリーズ」を販売しているパソコン専門店および家電量販店は、全国で600店舗弱に上る。「扱っているショップの多くが液晶プロジェクタを活用したホームシアターコーナーを設け、ユーザーに大画面の迫力を訴える」(真道社長)ことで拡販につなげているようだ。真道社長は、顧客層について「家庭で映画を視聴することにこだわりをもつユーザーが大半」とみているものの、「薄型テレビの登場でマニア層以外でも大画面化へのニーズが高まり、購入者が増えている。年末年始が過ぎても販売が衰えていない」と、デジタル家電の追い風を受けていることを強調。1か月の平均販売台数は2000台弱まで達している。

 最近では、「戸建て住宅の新築で、施主の要望によりホームシアタールームを設け、その際に液晶プロジェクタが採用されるケースも出てきた。2-3社の住宅メーカーから引き合いがあった」という。個人需要の増加により、03年度における液晶プロジェクタの販売台数は、前年度比約23%増の6万7000台を見込む。法人市場については、小型化やモバイル化などの需要が増え、「企業の営業担当者が取引先に出向く際、液晶プロジェクタを持ち運ぶようになっている」ことに着目。これまで中堅・中小企業では1法人につき1台、大企業でも1部署に1台の販売だったのに対し、現在は複数台の販売をアプローチすることで拡販につなげている。

 同社では北米市場に投入している家庭向け液晶プロジェクションテレビ「リビングステーション」を、日本でも今年夏をめどに発売することを計画している。北米と同様、47インチと57インチを販売する予定。液晶プロジェクタはホームシアターを切り口とした販売であるのに対し、液晶プロジェクションテレビは、通常のリビングでの用途をアピールしていく。同製品は、プリンタユニットを搭載し、記憶に残る映像やデジタルカメラで撮影した画像などを手軽に印刷できるのが特徴となっている。
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