全国ショップ激戦図

<全国ショップ激戦図>35.茨城・水戸(上)

2004/07/12 18:45

週刊BCN 2004年07月12日vol.1047掲載

 茨城・水戸地区の各ショップでは、ファミリー層の囲い込みに力を入れている。地元住民のリピート率を高め、売上高の伸長につなげようという狙いだ。

地元顧客の囲い込みがカギ

 水戸市の人口は約25万人。水戸地区にあるショップの多くは、商圏を10キロメートル前後、水戸市の近隣市を含め約40万人を想定しており、水戸バイパスなど水戸駅から住宅街につながる大通り沿いに店舗を構えているのが特徴だ。

 水戸地区のマーケットでトップシェアの地位を維持しているのが、水戸市を本拠地に置くギガスケーズデンキ。だが、最近ではヤマダ電機やコジマ、石丸電気などが参入、低価格化や再三のリニューアルを行うなどの策を講じており、シェア争いに拍車がかかっている。そのため、ギガスケーズデンキは旗艦店であるケーズデンキ水戸本店で競合他社とは一線を画した戦略をとることで、既存顧客の確保を図っている。

 ケーズデンキ水戸本店では、2003年5月に実施したリニューアルで、電池や電球、インクジェットプリンタの紙やインクなど、小物商品および消耗品を充実させた。店舗内の全アイテム数8万点の半分にあたる4万点が小物商品と消耗品で占める。

 山崎正店長は、「価格で競合との優位性を保つことよりも、異なった戦略で来店者数を増やす。会社帰りのサラリーマンや買い物途中の主婦が気軽に寄れるような店舗作りで差別化を図る」ことが価格競争に巻き込まれない重要な戦略と判断した。

 水戸本店は、総売り場面積が約8300平方メートルで、地上1階から地上2階までの構成。このうち小物商品および消耗品コーナーには、1階部分の3分2程度のスペースをあてている。しかも、今年5月からは、10時から21時までだった営業時間を10時から23時までと2時間延長。こうした取り組みにより、平日は小物商品を購入するために来店するユーザーが、来店者数全体の3分の1を占めるようになり、1日平均の来店者数も昨年までは2000人未満だったのが、今年に入ってからは2000人以上に達した。

 また、競合店舗との差別化策として実施しているのが、「子供連れの家族が安心して来店でき、楽しめる」こと。子供が座れる買い物カートや車いすなどを用意するとともに、子供の遊び場「キッズランド」を設置している。こうした「安心・楽しさ」の提供が家族に好評を得ており、土日の来店者数は平均で5000人前後に上る。

 水戸本店は、昨年度(04年3月期)の売上高で前年度比微増と苦戦を強いられた。今年度は、同2ケタ増を狙う。(佐相彰彦)
  • 1