全国ショップ激戦図

<全国ショップ激戦図>55.秋田県秋田市(下)

2004/12/06 18:45

週刊BCN 2004年12月06日vol.1067掲載

 JR秋田駅の東側に店を構えるギガスケーズデンキの「ケーズデンキ秋田本店」は、競合店との差別化策として冷蔵庫や洗濯機、エアコンなど白物家電の販売を強化した戦略で、リピーターを増やしている。

競合店にない独自性で勝負

 2004年度(05年3月期)の売上高は具体的に明らかにしていなものの、「前年度比で5-10%増は確実」(高橋弘幸副店長)と自信をみせる。昨年度は、「ヤマダ電機やデンコードーといった大手家電量販店がJR秋田駅の西側に出店し、少なからずダメージを受けた」として、売り上げが若干前年度を下回るなど影響が数字に表れた。しかし、今年度は競合店に負けない独自性を打ち出したことで、業績は回復した。

 西地区では、ヤマダ電機が低価格を武器に勢力を伸ばしており、デンコードーはサポートの充実でリピーター増に力を注いでいる。両店舗とも国道7号線と山王大通りが交差する臨海十字路付近に店を構えている。2つの店は歩いて5分程度しか離れていない。土日にはファミリー層を中心に新規ユーザーの来店を狙って顧客争奪戦が繰り広げられる。しかし、〝プライスを重視した顧客はヤマダ電機へ、サポートを求める顧客はデンコードーへ〟と、買い物客の指向性も見えてきた。

 秋田市は、低価格で優位性を保つか、サポートの強化で優良顧客を獲得するか、もしくはケーズデンキのように白物家電の品揃え強化など競合店とは異なった差別化戦略を持たなければ、業績を伸ばすことは難しい地域になった。

 パソコン専門店のオーエー・システム・プラザでは、ピーシーデポコーポレーションの資本業務提携を受け、東北地区のユーザー層を拡大するために出店した「OAシステムプラザ秋田店」を12月10日「PC DEPOT」のフランチャイズチェーン(FC)としてリニューアルオープンする。もともと、パソコン専門店として秋田県で定評があったOAシステムプラザの接客ノウハウなどに、ピーシーデポの地域に即した店舗形態のノウハウを加えることになる。ピーシーデポの野島隆久社長は、秋田地区を「東北地区はマーケットシェアを拡大していくための重要な地域」と位置づける。

 秋田県秋田市を本拠地としてパソコン専門店「COM」を運営するアイネックスでも、リピーターが増え、なおかつ利益を伸ばすためのサポートサービス強化を模索しており、来年早々にはサービスメニューなどの具体化を検討している。(佐相彰彦)
  • 1