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ジャストシステム 「一太郎」連携アプリを拡大 海外ベンダーとのアライアンスも強化

2005/05/30 18:45

週刊BCN 2005年05月30日vol.1090掲載

 ジャストシステム(浮川和宣社長)は、主力ワープロソフト「一太郎」と他社アプリケーションとの連携を拡大する。一太郎は現在、翻訳ソフトや地図ソフトなど8社のアプリケーションと連携しているが、今年度(2006年3月期)末までには海外ベンダーを含む5社程度のアプリケーションとの連携拡大を検討している。他社製アプリケーションとの連携を強化することで新規ユーザーの獲得を狙う。

 一太郎は、国内でおよそ100万ユーザーを持つ人気商材で、販売店経由や直販など強い販売チャネルを確立している。アプリケーションベンダーは、一太郎と連携することで、ジャストシステムの持つ販売チャネルを活用した売上増が見込める。他社アプリケーションの機能が一太郎に加わることで、新規ユーザーの獲得も期待できる。

 今年度は、すでに韓国のソフト開発ベンダーのユビティズン(ソウル市、ベヨン・キー・ホーCEO)のアイデアプロセッサー「コンセプトマップ」との連携が決まっている。アイデアプロセッサーとは、図形を多用して思考や発想を支援するソフトで、同じく日本語による思考支援を重視する一太郎との方向性が合っていることから「相乗効果が見込める」(ジャストシステムの岩田浩史・ビジネス企画室室長代理)と判断した。

 一太郎は、01年から毎年2月頃にバージョンアップを行っており、今年度中にも予定している次期バージョンアップでコンセプトマップとの連携を検討している。年度内には、既存の8社に加える形で、ユビティズンを含め5社程度のアプリケーションベンダーとのアライアンスを検討している。一太郎で使う辞書・辞典類ではすでに13社とアライアンスを結んでおり、今後とも連携を拡大していく。

 これまでは、国内ベンダーとの連携が中心だったが、今後は「世界規模で連携するアプリケーションを模索していく」(同)と、一太郎と連携が可能なアプリケーションベンダーとのアライアンスを強化する。国内に販売チャネルを持たない海外ベンダーにとっては、一太郎の販売チャネルを活用するメリットは大きい。
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