店頭流通

NECディスプレイソリューションズ 国内ディスプレイ販売を強化 来年度出荷台数2倍強を目指す 手薄だった国内販売の整備進める

2006/01/16 18:45

週刊BCN 2006年01月16日vol.1121掲載

 NECディスプレイソリューションズ(松田博利社長)は、ディスプレイの国内販売事業を強化する。2005年3月末に三菱電機との合弁事業を解消した同社だが、合弁中は国内は三菱ブランド、海外はNECブランドで主に販売するなど販売エリアを分けていたため、NECブランドとしての国内販売体制が手薄になる傾向があった。このため今年度(06年3月期)中に国内販売網を整備し、来年度から国内販売台数を倍増させるなど、事業の大幅な立て直しを進める。

 国内販売の強化に向けて、同社では、NEC製パソコンとのセット売りの拡充や、大型ディスプレイの拡販など、台数、金額の両面で業績の拡大を目指す。

 現在、NECのビジネスパソコンと同社の液晶ディスプレイがセットで販売される比率は5割程度。今後は価格や品質などの競争力を向上させることでセット売りの比率をさらに高めていく。

 同時に、ディスプレイとソリューションを組み合わせた付加価値型の販売も拡大させる意向だ。20インチ以上の大型ディスプレイでは、駅や空港、ホテル、企業の受け付けなど公共スペースに掲示して広告などを表示するデジタル標識の需要が高まっている。こうした市場を中心にコンテンツやソリューションと組み合わせた付加価値型の提案を強化する。

 同時に医療用の高精細ディスプレイやマルチディスプレイ、映像信号を100メートル先のディスプレイまで劣化させずに伝送するシステムなどNECの高い技術を生かした展開を積極的に進める。

 全国に約350社あるNEC特約店(販売パートナー)と連携した販売にも力を入れる。「公共スペース向けの大型ディスプレイなど付加価値型のソリューション販売では、NECのサーバーなどを取り扱う特約店との連携を進める」(津田芳明・代表取締役専務)など、NECの販売網をフルに活用する。すでに特約店を中心に100社ほどの販売会社が同社のディスプレイの販売を始めている。来年度は特約店がソリューションを絡めて販売をしやすいように、バックアップ体制を強化していく方針だ。

 液晶パネルの市場価格は長期的な下落傾向にあるが、15-17インチの量販モデルとともに、19インチ以上の大型ディスプレイの販売に注力することで台数、金額ともに伸ばす。北米のディスプレイ市場ではトップクラスの販売実績があり、昨年12月には中国系大手ディスプレイメーカーと業務提携して、中国市場の開拓に乗り出している。グローバルで実績があることから国内市場においても「製品の競争力は十分にある」とし、三菱電機との合弁中、手薄だった国内販売の立て直しを行う。来年度は国内の販売台数で倍増以上を目標に据える。全社売上高も04年度の1400億円に対し、08年度には国内販売の強化などで1500億円以上に伸ばす。
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