店頭流通

コーレル 第2四半期売上高が30%増 店頭認知度拡大がライセンス販売増に寄与

2006/07/31 18:45

週刊BCN 2006年07月31日vol.1148掲載

 コーレル(下村慶一社長)は、2006年度(06年11月期)第2四半期の売上高が前年同期比30%増に拡大したことを明らかにした。

 同社のソフトは、パソコンへのインストールベースで「年間300万台を超えた」(下村社長)ことや、自社ソフトで作ったPOPをそれぞれの店舗特性に合わせて提供するなど、店頭認知度の拡大に注力したことが奏功。その結果、ライセンス販売につながり、売上拡大に貢献した。

 同社は、8月にグラフィックスソフト「コーレル ドロー グラフィックス スイート」の新バージョン「同13」の発売を控えている。この第2四半期は、昨年5月に発売した現行バージョンの「同12」の販売が、前年の3倍を記録、大きく伸長したという。

 コーレル ドローについては、パソコンへのプリインストールは行っていないため、9割が店頭でのパッケージ販売となる。5万円前後の高額製品でも店頭に置いて商機を逃さないようにするほか、さらにライセンス販売に結びつけていく狙いだ。

 日本市場の展開についてカナダコーレルコーポレーションのニック・デイヴィーズ・グラフィック部門ゼネラルマネジャーは、「以前の代理店を通じた販売は、きちんとした形で日本に進出しきれていなかった」と振り返る。日本法人を設立したことで、「カナダ本社へのユーザーニーズのフィードバックが柔軟になった」と評価している。これまでは、「日本市場の情報を十分に反映できずにいた」が、下村社長による体制を固めたことで、競争が激しいグラフィックスソフト市場で本格攻勢をかけていく。

 コーレル ドローのユーザー層は「80%をプロが占める」(デイヴィーズ・ゼネラルマネージャー)など、グラフィックスソフトは全般的に、技術的に敷居が高いとのイメージが強い。そのため、「プロ向けと、エントリータイプに二極化する傾向」(下村社長)にあり、その中間に位置づけられる商品がなかったという。コーレルドローは、「使いやすいインターフェースで、デザイナーでなくても一般ユーザーが簡単にデザインできることが差別化要素」としており、競合他社とは異なるスタンスで、グラフィックスソフトのミッドレンジ商品と位置づけたいと強調している。カラーのプレゼンテーション資料のニーズが高まっていることなどから、ビジネスユーザーの開拓に意欲的で、ユーザーの裾野を広げていきたい考えだ。
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