店頭流通

Vista発売後もXP搭載モデルが主力 パッケージ版では、Ultimateが3割

2007/02/19 16:51

週刊BCN 2007年02月19日vol.1175掲載

 1月30日のWindowsVistaの発売によって、PC業界は新たな時代へと突入した。BCNランキングによると、1月29日から2月4日のPC本体の販売台数は前年同週比6・1%増と、約1年ぶりにプラスに転じた。だが、XP搭載モデルが全体の44%を占めるなど、在庫処分が先行している点も見逃せない。

 BCNランキングによると、1月30日のVista発売後、最初の週となる1月29日から2月4日の集計では、PC本体は久しぶりにプラス成長に転じた。

 だが、OS別の販売動向を見ると、Vista効果だけと言い切るのは難しそうだ。

 同調査によると、1週間に販売されたPCのうち、最も多かったのがWindowsXP搭載モデルだった。全体の44.2%を占めている。店頭では、1月からWindowsXP搭載モデルの在庫処分を狙った価格下落が顕著に現れ、その影響が見逃せない。パワーユーザーの間では、WindowsXPを搭載したVista Capable PCを低価格で購入して、Vista Home PremiumやVista Ultimateといった上位製品をインストールするほうが安くVista環境を実現できるという判断も働いたようだ。

 Vista搭載モデルの内訳では、マイクロソフトが「マジョリティになる」(同社Windows本部のジェイ・ジェイミソン本部長)としているVista Home Premiumモデルが最も多く、全体の30.8%を占めたほか、低価格の設定が可能なHome Basic搭載モデルが20.4%となった。Vista本来の機能を活用するには、Home Premium以上が最適だが、手軽にVistaの機能を活用してみたいというユーザーがHome Basicを選択したようだ。

 なお、Ultimate搭載PCは、メーカー側がネット直販での対応とするなど、店頭展示モデルが用意されていないことから、集計ではゼロとなっている。

 一方、パッケージ版では様相が大きく変わる。Vista Home Premiumが全体の42.6%を占め、次いで、Ultimateが31.3%を占めた。2つのOSをあわせて、約4分の3を占めることになり、Vista Businessの5.6%を含めて、約8割が、Aeroの環境で動作するものとなった。

 今後は、PC本体でもWindowsXPの比率が減少するのは明らかだ。また、マイクロソフトのマーケティング施策もVista Home Premiumを軸に展開していくことから、今後はHome Premium搭載モデルの販売比率が増加することになりそうだ。
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