このコーナーでは、店頭販売に注力するメーカーの販売第一線の動きを紹介する。(上)では各社の販売戦略や体制を、(下)では現場の奮闘ぶりを追う。

宍倉 豊
営業統括本部
リテール営業部部長
 「ソフトの伸びしろはどこにあるか」――。宍倉豊・営業統括本部リテール営業部部長は懸命に探る。ターゲットに定めたのは「ハードコーナー」だ。現在は、営業活動の6割をハードコーナーに注いでいる。パソコンの展示スペースに設置しやすい販促ツールを用意したほか、パソコンと同時購入で割引する「同時購入版」の訴求など、「パソコン買ったらウイルスバスター」を打ち出し、拡販を図っている。

 さらに、同社が力を入れているのは「ウイルスバスター」と「保険&PCサポート」をセットにした白いパッケージの「サポートパック」の訴求である。「ウイルスバスター」はもちろんのこと、OSやネットワーク接続の問い合わせなどに対応することが“売り”。パソコンの初心者をサポートするとともに、販売店にとっては顧客から寄せられるトラブルの問い合わせに対応する時間を削減できるというメリットがあるからだ。同社によると「問い合わせの5割以上がOSに関する内容」という。今年は、アップルやマイクロソフトの新OS登場をチャンスと捉えて、店頭では「サポートパック」の販売にいっそう力を入れていく。

 同社は、昨年7月にエリア営業課を発足させた。従来は、外部の派遣スタッフが同社の店舗ラウンダーを担当していたが、これらの人々を同社の社員として採用した。リーダーを立てて組織化することで、メンバーの士気を高めるなど、体制を強固にした。さらに、まだ十分に対応できていない地方の店舗をフォローするために、2か月に1回のペースで「フィールドサポーター」と呼ばれる外部委託人員を投入、売り場での説明や品出しなどを行っている。

 昨年「BCNランキング」でライバルからトップシェアの座を奪取し、シェアを伸ばした同社だが、その背景には、マーケティング戦略の変更やテレビCMによる宣伝効果などの取り組みがある。そして、販売店向けの体制や営業活動を強化したことも「シェア拡大に貢献した」(宍倉部長)要因と確信している。(田沢理恵)