店頭流通

いいよねっと GARMINブランドの認知度向上を目指す

2010/05/06 18:45

週刊BCN 2010年05月03日vol.1332掲載

 登山などで使うハンディGPS、ドライブや散歩で活躍するポータブル・ナビゲーション・デバイス(PND)――。いいよねっと(真鍋陽一代表取締役)は、ワールドワイドで定評のあるハンディGPS/PNDメーカー、米・GARMINの正規販売代理店だ。GARMINの製品は、海外で知名度が高いが、日本では国内メーカーに地位を奪われている状況だ。いいよねっとはブランド力の強化と価格戦略を武器に、販売シェアの拡大を狙う。

鮫島克仁
サービス
グループリーダー
 いいよねっとは、GARMIN製ハンディGPSの販売を基幹事業として2000年に設立された。06年には、PNDのシリーズ「nuvi(ヌビ)」を発売。競合のソニーやパナソニックよりも市場への参入は早かった。上級機「nuvi1480」はBluetooth対応携帯電話と接続してGoogle経由で目的地を検索できるほか、地図データを保存した別売りのメモリカードを使えば海外でも使える、といった特徴をもつ。

 BCNが実売データを集計し始めた09年11月以降、PNDは右肩上がりで成長を続けている。しかし、GARMINは3月「BCNランキング」において、メーカー別シェアで販売台数4.5%、販売金額2.2%と振るわず、海外市場での知名度とは対照的な様相をみせる。鮫島克仁・サービスグループリーダーは、その理由を「ネームバリューの弱さ」だと断言する。「海外で売れているからといって、同じように日本で売れるわけではない。GARMINのエンジニアは国内メーカーの技術を評価しており、見習う点は多い」と課題を指摘する。

 国内メーカーと差異化を図るため、いいよねっとは主要な国内メーカーの製品よりも低価格なモデルを投入した。3月の税別平均価格は1万7000円で、ソニーの3万6000円や三洋電機の4万円と比べてもその差は明らか。「国内メーカーと同じ価格帯で勝負しても、勝つことはできない」からだ。
 また、ブランドの認知度を高める宣伝活動として、全国各地で開催するモータースポーツのスポンサーとして参画し、露出を増やしている。例えば、年間を通じて実施されるポルシェ主催のレース「カレラカップ ジャパン」、6月に開催されるネコ・パブリッシング主催の「ジャパン・ヒストリックカー・ツアー」などだ。クルマに関心のある富裕層をターゲットとして訴求する。

 販売チャネルは、カー用品店、アウトドア用品店、家電量販店の三つ。販売店向けの勉強会を1~2か月に一度実施するほか、アウトドア用品店に関しては、トレッキングなどのイベントが店頭で行われる場合は参加している。こうした取り組みを積み重ねることで、2010年は台数で対前年同期比10%増、金額は前年越えを目指す。(井上真希子)

Bluetooth対応の携帯電話経由でGoogle検索ができる「nuvi1480」
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