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パナソニック、連結決算はマイナス幅縮小、同時に新中期計画を発表

2010/05/07 18:45

 パナソニック(大坪文雄社長)は、5月7日、2009年度(10年3月期)連結決算と12年度を最終年度とする新中期計画「GT12(ジー・ティー・トゥエルヴ」を発表した。

 09年度の連結決算は、主力のデジタルAVCネットワークを含め、全事業分野で減収。通期の売上高は、前年同期比0.4%減の7兆4180億円だった。ただし、営業利益では、09年度の固定費削減目標に掲げていた2600億円を上回る3715億円の削減を達成し、前年同期比2.6倍の1905億円で大幅な増益となった。税引前損失は293億円で、前年同期の3826億円の損失に比べマイナス幅が縮小。当期純損失は1035億円(前年同期は3790円億円の損失)だった。

大坪文雄社長(写真は東京の中継会場で撮影したもの)

 第4四半期は、エコポイント効果によるテレビの販売が売上げに貢献。売上高は、前年同期比43%増の2兆1981億円に拡大した。営業利益では、前年同期の1816億円の赤字から606億円の黒字に転じている。

 10年度通期の連結業績見通しは、売上高が前年同期比19%増の8兆8000億円、営業利益が同31%増の2500億円とし、全事業分野での増収増益を目指す。税引前利益は1500億円、当期純利益は500億円で、07年度以来の黒字を見込んでいる。

 会見した大坪社長は、「成長への大胆なパラダイム転換」と、環境革新企業への基盤づくり」をテーマにした新中期計画「Green Transformation 2012(GT12)」を発表。新興国での売上高を09年度の4400億円から12年度に7700億円に引き上げるなど、海外事業の拡大を図るとともに、環境貢献の拡大を目指す。

 最終年度となる2012年度の目標として、大坪社長は、売上高10兆円に加え、「営業利益率が5%に達しない事業については、やめるという決意」を表明。また、CO2削減貢献量5000万トンを目指す。

 エアコンや空気清浄機などの「冷熱コンディショニング」、太陽電池や二次電池などの「エナジーシステム」、薄型テレビやデジタルカメラなどの「ネットワークAV」のほか、「セキュリティ」「ヘルスケア」「LED」の六つを重点事業として、新興国を中心とした海外事業の拡大するとともに、ソリューションビジネスの強化や三洋電機とのコラボレーションを推進していく。

 このうちネットワークAV事業は、2012年度の売上高目標として2兆1500億円(年平均成長率約10%)を掲げた。プラズマテレビの3Dモデル構成比を70%、液晶テレビについてはLEDバックライト採用モデルの構成比を60%に拡大する計画。そのほかデジタル一眼レフカメラではシェア10%以上を目指し、事業拡大を図る。

 三洋電機とコラボレーションは、白物家電を中心に重複する製品を、パナソニックの開発・製造に一元化して整理と統合を進め、ラインアップの拡充などの製品強化を行うことで、「海外市場を隈なく攻めていく」(大坪社長)としている。
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