頂上熱戦

【頂上熱戦】「ハガキソフト」(前編) クレオとジャングル(2010年夏商戦)

2010/07/22 18:45

週刊BCN 2010年07月19日vol.1342掲載

 本連載「頂上熱戦」では、2社のIT・家電メーカーに“同じ内容の質問”を投げかけ、その回答を紹介する。(前編)では「製品戦略」を、(後編)では「販売戦略」を問う。

Question. 製品戦略は?

【共通質問事項】 (1)夏の演出 (2)これは当社だけ! (3)価格設定


(左から)クレオ「筆まめVer.20 夏版」、ジャングル「筆ぐるめVer.17 夏祭り」

Answer.クレオ

益田俊男
筆まめサービス事業部
コンシューマ営業部 部長
(1)【夏の演出】今夏のテーマは「日本の夏」。すだれや花火のデザイン、和風フォントなどを通じて、お客様に「日本」をイメージした季節感を伝えると同時に、ハガキ作成をはじめとする日本の印刷文化をアピールしている。パッケージには、目立つ黄色を採用。「クレオの夏は黄色」のイメージで、インパクトを強めた。

(2)【これは当社だけ!】最も気を使っているのは、パソコンの知識があまりない方へのフォローに力を入れることだ。例えば「筆まめ」の前バージョンから、図版などによって基本操作を初心者にやさしく説明する冊子「使いこなしブック」をパッケージ版に付けている。パソコンの画面上ではなく、「紙」のかたちで説明するのがポイントだ。お客様は、何かの説明を受けるとき、読み慣れた紙媒体を好むようだ。こうした細かなところにこだわりながらお客様のニーズをつかむ戦略で、他社との差異化を図っている。

(3)【価格設定】当社のお客様には、初心者や年齢がやや高めの方が多い。その方々に、「信頼感」と「安心感」を与えることをコンセプトに掲げている。ただ、そうすると、どうしても価格は高めになってしまう。実際、「筆まめ」は他社のハガキソフトと比べて、1000円以上高い。高めの価格は、お客様のニーズを捉え、それに応じて製品を着々と改善していくという「いい循環」の証なので、必ずしもネックだとは思っていないが、将来、価格を少し下げていくことを検討する必要が出てくるかもしれない。


Answer.ジャングル

神垣卓矢
営業本部
ソフトウェア営業部 部長
(1)【夏の演出】もちろん、ヒマワリを使う(笑)。ヒマワリのほかにも、かき氷や風鈴など、夏を感じさせるデザインを数多く収録する。これらのデザインを使って、暑中見舞いなどのハガキだけでなく、夏らしいうちわのラベルやTシャツのプリントの作成など、子どもや若い人に、製品の楽しい使い道を提案している。

(2)【これは当社だけ!】販売戦略でのわれわれの強みは、PC導入実績No.1ということ。メーカーと協業して、当社のハガキ作成ソフトの簡易版を、店頭に並ぶパソコンにプリインストールしてもらう。ユーザーがPCを購入してすぐに使える簡易版を通じて、さらに機能が充実したパッケージ版の購入を訴求する――。実際にこの戦略は効果が高く、当社の一番の強みになっている。さらに、高齢者やPCでの作業に慣れていない方にも当社製品を簡単に使っていただけるよう、さまざまな工夫をしている。例えば、操作のナビゲーション機能を備え、画面上でハガキ作成の各ステップを分かりやすく説明するなど、幅広いユーザー層に使ってもらえるよう配慮している。

(3)【価格設定】「筆ぐるめ」の夏版「夏祭り」では、前バージョンと比べ、価格を約400円下げた。夏に適したハガキ作成ソフトは、限られた時期だけに使う商材なので、なるべく価格を抑えている。今後は、さらに下げていきたい。当社は、小さい子どもをもつ20~30代のファミリー層をターゲットとして、お買い得感のある価格を武器にしている。(ゼンフ ミシャ)
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