ジュピターテレコム(J:COM、森泉知行社長)が、若年層の開拓に力を入れている。現在のユーザーにはファミリー層が多く、さらにユーザーを拡大するためには、単身世帯など若年層の獲得が必要と判断した。まずは、VODとインターネット回線を軸に商品をパッケージ化して、多チャンネル放送で獲得できなかった潜在需要を掘り起こす。これによってユーザーの間口を広げ、近い将来に多チャンネルユーザーへの取り込みを目指す。

渡辺一正
商品戦略本部長 兼
放送事業戦略部長
 ジュピターテレコム(J:COM)は、ケーブルで提供する多チャンネルテレビ「J:COM TV」、高速インターネット「J:COM NET」、固定電話「J:COM PHONE」を柱にサービスを提供している。このうち、多チャンネルテレビの契約者は、40・60代のファミリー層が中心。ユーザー拡大のためには、20・30代の単身世帯や共働きの若者夫婦などの掘り起こしが課題となっていた。

 多チャンネルのプランは、66チャンネル以上が視聴できるスタンダードタイプと、55チャンネル以上のコンパクトタイプのどちらかを選択するようになっており、VODはどちらのプランのユーザーも利用した分だけ課金される仕組み。しかし、こららのプランは、多チャンネルを軸とした商品で、自宅でテレビを見る時間が少ない人をターゲットにするには限界がある。同社は「多チャンネルの番組編成では若者は取り込めない」(渡辺一正・商品戦略本部長 兼 放送事業戦略部長)と判断し、多チャンネルサービスのなかからVODを切り出して、インターネット回線と組み合わせて商品化した。7月15日から、戦略商品として集合住宅向けのサービス「J:COM TV My style セレクト」の提供を開始している。

 料金は通信速度によって異なるが、通信速度40M「地デジ・BSデジタル+VOD見放題パック+NET40M コース」を月額4980円に設定。5000円を切る価格で高速インターネット回線が利用でき、地デジも視聴できる。さらに、好きな時にいつでも視聴できるVODなら、レンタルDVDを借りる手間が不要というメリットを強みに、潜在需要を掘り起こしている。渡辺商品戦略本部長は「サービスを開始してから、順調な立ち上がりだ。選択の方向は正しかった」と自信を示している。

 現在は、個別訪問や「ジェイコムショップ」、家電量販店、同社サイトを中心にアプローチしているが、今後は、マス広告の展開などを行ってユーザー獲得につなげる。VODの見放題パックは、11種類(9月末時点)のジャンルから一つを選択するようになっているが、年末までに選択肢を30に拡充し、商品強化を行う計画だ。(田沢理恵)