気になるアイテムを徹底分析

<気になるアイテムを徹底分析>店舗スタッフに聞く売れ筋商品――ウェアラブル端末(2)

2015/05/28 16:51

週刊BCN 2015年05月25日vol.1580掲載

ケーズデンキ足立店
神谷慶一郎氏

いまはアーリーアダプタがお客様。誰でも気軽に購入できる製品の登場に期待
 さまざまな層が多く来店する駅前店舗では、ウェアラブル端末の購入者が増えつつあるものの、固定客がメインの郊外店ではウェアラブル端末の購入者は限られてくる。

 東京都足立区や荒川区から顧客が訪れる傾向の高いケーズデンキ足立店では、昨年末から今年初めにかけてウェアラブル端末の取り扱いを本格的に開始したところ、「問い合わせが殺到している。とくに、アップル製の腕時計型スマートデバイス『Apple Watch』の国内発売がアナウンスされてからは、ますます増えた」と、アップル製品のスペシャリストでウェアラブル端末の販売にも長けた神谷慶一郎氏は、ウェアラブル端末が売れ筋商材の一つになる可能性を実感している。

 ただ、来店した顧客にウェアラブル端末の機能を説明したり、電話で質問されたことに応対したりすると、「大抵は、『使いこなすのは難しいかも』という答えが返ってくる」。スマートフォンやPCなどと連動して効果を発揮する端末だからという。ケーズデンキ足立店が確保している固定客は比較的高齢層が多い。「まだまだフィーチャーフォンを使っている人が多く、『スマートフォンを使わなければならないのなら、今は必要ない』と断るお客様も少なくない」とのことだ。

 高齢者にはスマートフォンやPCとの連動が障壁になっており、駅前店舗と比べれば新規の来店者が少ない郊外店にとって、ウェアラブル端末の販売を増やす策はあるのか。一つは、「最近では、スマートフォンは使わないが、タブレット端末なら画面が大きくてPCのようにキーボード操作を気にしないという理由で購入するお客様がいらっしゃる。そのようなお客様に付加価値の一つとして実際にデモを行いながらウェアラブル端末を提案することもある」としている。とくに、ソニーやエプソン、オムロンなど「国産メーカーへの関心が高い」という。

 一方、30~40代でスマートフォンやPCを使いこなしている顧客については、「ジョギングやウォーキングが趣味で健康志向の場合、きちんと説明すれば購入に結びつく率が高い」という。しかも、ケーズデンキ足立店に来店する顧客の多くは東京在住ということで電車通勤が圧倒的に多い。「購入した方の多くは、『便利』と評価してくださる」と、神谷氏はアピールしている。

 まだまだ機能面ですぐれている点が伝わらないウェアラブル端末だが、「不便なところを聞くと、『毎日、充電しなければならないこと』との声が挙がってくる」。健康志向の強いユーザーほど身に着けているため、わざわざ充電のために外すのが面倒ということだ。このような課題を解決することがウェラブル端末が普及するうえでのカギといえそうだ。

ケーズデンキ足立店では地元住民を対象にウェアラブル端末をどうアピールするかを模索
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