これからの時代(Era) をつくりだす存在となるであろう業界注目の若手経営者にフォーカス。そのビジネス観や経営哲学に迫ります。今回は「イクシアス・内藤崇司代表取締役社長CEO」を取材しました。
高度だけど、小難しくないテクノロジー
前職で事業開発や出資などの業務に携わる中、日本の店舗運営における非効率さを目の当たりにした。特に、SNSなどマーケティング媒体の多様化により店舗集客の複雑さが増してきている一方で、ポータルサイトへの掲載以上の施策ができている店が少ないという課題があった。しかし、これまで世の中に存在したサービスでは、連携しているマーケティング媒体が少ないなど一部の改善にとどまり、課題全体を解決することは難しかった。
事業を通じて、大手企業だけでなく中小企業も含めた店舗事業者全体を元気にすることが自分たちの使命。店舗運営の生産性向上を目指し、「誰も取り残さない」よう、「高度だけど、小難しくないテクノロジー」を提供することを重視している。
主体性を大切に
企業としての主体性を大切にしている。ここでの主体性とは「自分たちが世の中をどのように変えたいか」を指す。事業を継続するために売り上げを伸ばすことはもちろん重要だが、主体性を事業に反映することこそが競争力につながると考える。
企業と社員が同じビジョンを共有することで、事業を通じて発揮できる力を大きく高められるとみる。元々、社内には自身と同じように店舗事業者に対する思いを持った社員が多い。社員に活躍してもらえる場所をつくるため、「仕事が正しい方向に向かっているか」や「社員の配置が正しいか」を分析するのが経営者の仕事と心得る。
生きた証しを残したい
「生きた証しを残したい」。人生の目標は、自分が死んだ後でも世の中に価値を発揮し続けられる会社やサービスをつくることだ。そのためには、より多くの人たちに選んでもらえる存在にならなければならない。周りと同じことをするのではなく、サービスや事業内容で差別化を図れるよう意識している。
「目標に対する進捗度はまだ3%ほど」とみているが、掲げている目標がそれだけ大きいことの裏返しでもある。事業や会社の規模は着々と拡大できている。長い道のりにはなるが、これからも歩みを止めることはない。
プロフィール
内藤崇司
1986年、埼玉県出身。2009年にリクルート(現リクルートホールディングス)入社。デジタルコンテンツ事業開発に従事した後、子会社の経営企画室長、リクルートホールディングスで中長期戦略立案統括を歴任し、その後、コーポレートベンチャーキャピタルのシニアヴァイスプレジデントとして事業開発投資業務に従事。20年11月、イクシアスを創業。
会社紹介
店舗情報発信・分析プラットフォーム「STOREPAD」を開発、提供。地図アプリ、ポータルサイト、SNSなどさまざまな媒体への一括情報発信や口コミ分析で、集客向上と店舗スタッフの工数削減を支援している。