これからの時代(Era)をつくりだす存在となるであろう業界注目の若手経営者にフォーカス。そのビジネス観や経営哲学に迫ります。今回は「RevComm・會田武史代表取締役」を取材しました。
日本を“資源大国”に
音声によるコミュニケーションは、その場に居合わせた人でなければ、具体的にどのようなやり取りがあったか分からず、ブラックボックス化しやすい。しかし、会議や商談、電話で交わされた会話には、どう話を切り出すか、話のテンポをどう調整するかなど、決して放置できない貴重なノウハウが詰まっている。
「長い歴史の中で磨かれた日本人のおもてなしやサービス精神は、世界に輸出できる素晴らしい文化だが、この貴重な長所を誰も見えるかたちにしてこなかった」。これをデータとして蓄積し、AIを活用して標準化できる自社の技術は「日本を“資源大国”にできる」
非効率なやり取りにメスを入れる
「日本はコミュニケーションコストが高いと感じる」。有益な議論が日々交わされているはずだが、「何を言ったかではなく、誰が言ったか」によって意思決定が進むケースがしばしばある。
議論の無駄が明らかにされないために改善されなかったり、重要な議論が意思決定に反映されなかったりと、非効率なやり取りは多々ある。ここにメスを入れられれば、ぐっと生産性を上げることができるだろう。「音声コミュニケーションのあり方を可視化し、再発明すること」を自社の使命とする。
人が人を思う社会に
父と祖父が経営者だったことから、小学4年生のころから自然と起業を意識し、自身が何をすべきかを考え続けてきた。
思い描く未来は、「人が人を思うことに多くの時間と労力をかけられる社会」。現代は忙しく、必要最低限なこと以外に力を割く余裕はない。AIをはじめとした技術で生産性を上げ、人々に余力を生み出し、より付加価値の高い作業に集中できるようにしたい。そうすれば「ただ単に、物事の意味を伝達するだけではなく、感動を引き起こす本当のコミュニケーションが可能になる」と信じる。
プロフィール
會田武史
大学卒業後、三菱商事に入社し、自動車のトレーディング・海外市場での販売・マーケティング施策の企画や立案、実行などに従事。2017年にRevCommを設立。
会社紹介
電話営業や顧客対応を可視化する音声解析AIを搭載したクラウドIP電話サービス「MiiTel」を開発、提供する。このほか、AIによるオンライン会議の文字起こしやトーク分析機能などを備える「MiiTel Meetings」なども展開する。