これからの時代(Era)をつくりだす存在となるであろう業界注目の若手経営者にフォーカス。そのビジネス観や経営哲学に迫ります。今回は「シェルパ・アンド・カンパニー・杉本淳代表取締役CEO」を取材しました。
利益とサステナビリティーの融合
「利益とサステナビリティーが融合する世界を実現する」をビジョンに据えている。実現のためには、サステナビリティー情報が持つ価値を証明していく必要があると考える。どのファクターが財務的な価値と結びついているのかが見えてくれば、その先に、サステナビリティー情報と財務情報を総合してステークホルダーが企業を評価する世界がやってくる。
近年は、AIをはじめとしたテクノロジーの進化がめざましく、「(利益とサステナビリティーの融合を)ドライブする力がかかっている」。これらのテクノロジーをうまく使いこなしてよりよいプロダクトを提供し、社会にインパクトを与えていきたい。
世の中の流れを俯瞰する
「世の中のトレンドや、どのようなことが求められているのかを常に俯瞰するようにしている」。そのためにも、取引先や株主、異なる業界の経営者などさまざまなステークホルダーから話を聞いている。ただし、それらが全て正しいと決めつけずに、会社にとって何がベストかなど総合的に判断することも重要だと考える。
大きな勝負のタイミング
社名の由来は、ヒマラヤ登山の案内や荷役の請け負いで知られるネパールの少数民族「シェルパ」から。高い場所を目指して登っている顧客に伴走し続ける人が必要なのは、登山もビジネスも変わらない。サステナビリティーという高い頂へ挑む企業のシェルパになる。そう心に決めている。
企業のサステナビリティー活動をめぐっては、国内外でESG情報開示の義務化など、大きな動きが現れるとみる。2025年は「とても大きな勝負のタイミング」だ。自社の成長段階が「アーリーのステージからミドル、レイターに移っていく」時期だからこそ、今までと同じ目線ではいけない。マネジメント面における視座を引き上げたい。顧客と共に、自社もひたむきに歩みを進める覚悟だ。
プロフィール
杉本 淳
1989年、千葉県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、SMBC日興証券、JPモルガン証券で国内外の大型M&A・資金調達案件やIR・コーポレートガバナンス関連のアドバイザリー業務に従事。2019年9月にシェルパ・アンド・カンパニーを設立。
会社紹介
企業のESG情報開示支援クラウド「SmartESG」の開発・提供、コンサルティングサービスなどを手掛ける。