これからの時代(Era)をつくりだす存在となるであろう業界注目の若手経営者にフォーカス。そのビジネス観や経営哲学に迫ります。今回は「OPERe・澤田優香代表取締役」を取材しました。
持続可能な働き方を
女性が粘り強く働く姿に憧れ、看護師を目指した。実際に現場へ入ると、医療従事者の真摯な姿勢に感銘を受けた。一方で、ひっ迫した過酷な現場はスタッフ一人一人の献身によって支えられていることも痛感した。「持続可能性を考えないと、医療を提供し続けられない」。使命感に駆られた。
運営を適切に支援することができれば医療従事者はもっと働きやすくなると考え、医療コンサルタントに転身。現場で働いた経験から、ボトムアップ型プロジェクトのサポートに手応えを感じていた。
三者共通の課題解決へ
ある時、自身が入院することになった。幸い、大事には至らなかったが、臨床現場、コンサル、患者。それぞれの視点で医療現場を見たことで、「三者共通の問題を見つけた」。それぞれがアクセスしやすい、非同期コミュニケーション手段の不足だ。
きっかけは、入院中、ナースコールを押すことがためらわれたこと。同室で、別の患者が胸の痛みを訴え、自分は室温に対する要望。「同じボタンを通じて伝えるのは心苦しかった」。医療従事者だったころも、緊急性に関係なく、あらゆる内容が同じ“ナースコール”として扱われることに疑問を感じていた。
患者のポケットからサポート
患者と病院をつなぐサポートをするため、自身で会社を立ち上げた。手掛けているのは、同じやり取りを複数の患者に行う必要のある説明や問診を効率化するコミュニケーションシステム「ポケさぽ」だ。現在は、特に要望が多かった入院時の説明や問い合わせ対応を「LINE」やタブレットで提供する。患者と医療従事者、双方から好評を得ている。今後も、まずは入院前後のコミュニケーションを中心に支援する方針だ。
この評価をてこにして実現したいのは、患者が信頼できる医療を安心して受けられる環境だ。同時に、医療従事者が「やってよかった」と思える医療を提供できる状態の構築を目指す。
プロフィール
澤田優香
聖路加国際大学看護学部卒業。急性期病院で臨床看護師として働いた後、病院経営コンサルティング会社に入社。医療機関の業務・収支改善や分析システムの開発などに従事。2020年にOPEReを創業。
会社紹介
入退院に関する説明や問診といった業務を効率化するコミュニケーションシステム「ポケさぽ」を展開。サービス名称は、「患者の“ポケット”に入っているデバイスから“サポートする”」を略した。