これからの時代(Era)をつくりだす存在となるであろう業界注目の若手経営者にフォーカス。そのビジネス観や経営哲学に迫ります。今回は「リチェルカ・梅田祥太朗代表取締役CEO」を取材しました。
「理屈より情」
人生で二度、起業を考えたことがあった。しかし、事業のアイデアが思いついても、本当に社会に必要とされるのか、どう収益につなげるのかが見えず、踏み出せなかった。
転機となったのは、取締役COOとして参画した前職での事業転換。方向性の違いからキャリアを決めかねていた、自らが雇用した仲間を集めて会社を立ち上げた。明確な事業計画があったわけではない。それでも「理屈より情」が大事。組織で何かを成し遂げる原動力は、人と人とのつながりにある。そう信じ、理想とする会社づくりに挑んだ。
難航する会社づくり
起業と同時期に、イタリア製オートバイや関連部品の輸入・販売事業を、ある企業から本業と別口で引き継いだ。きっかけは趣味だった。今でもアスファルトとダート混合の全日本スーパーモト選手権に最高峰クラスで参戦するほど熱中している。「工芸品のような美しさと素晴らしい乗り心地」とほれ込んだマシンを「もっと広めたい」とアクセルを回した。
一方、継承した輸入事業は難航した。紙を使った業務や手作業をITで効率化すれば黒字化できると考えていたが、現実は甘くない。赤字が続き、本業に手が回らなくなっていく。改善のためにさまざまなシステム導入を検討したが、中小企業の実態に合うサービスは見当たらなかった。
ピンチをチャンスに
「自分たちでつくるしかない」。これまでERPの販売やSaaS事業の立ち上げや上場にも携わってきた。その経験に経営者としての実体験が加わったことで、長い間、プレイヤーの変わっていないサプライチェーンマネジメントや、受発注業務の効率化に挑戦するためのパーツがそろった。
既存のビジネスモデルの変革を目標に掲げる。人月型が主流の業界で、プロジェクト契約時に金額を固定する方式を採用。限られた予算の中で、顧客との対話を通じて、本当に必要な機能だけを見極める。これまでとは異なるアプローチで、新たな選択肢の提供を目指している。
プロフィール
梅田祥太朗
1989年生まれ、さいたま市出身。大学卒業後、みずほ銀行を経て2014年にワークスアプリケーションズ入社。17年にAI inside、21年にHashPort入社。22年、iMAMIRAi(現リチェルカ)設立。同年、オートバイの輸入・販売を手掛ける、うえさか貿易を事業継承。
会社紹介
2022年にiMAMIRAiが設立。23年、リチェルカに社名変更。受発注領域を最適化するAgentic ERP「RECERQA」などを開発、提供する。AI導入や受発注最適化などもコンサルティングにより支援する。