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アップルが1億ドルで米パワー社を買収 マック互換機時代の終焉?
1997/09/08 21:12
米アップルコンピュータは2日、マッキントッシュ(愛称「マック」)の互換機メーカー、米パワー・コンピューティング社のMacOSライセンスなどの無形資産を1億ドルで買収すると発表した。アップルの互換機戦略の転換とみられている。
ライセンス料めぐる相違点も
今回の買収でアップルは、MacOSのライセンスを買い戻すほか、開発、流通、マーケティング部門の人材、パワー社の顧客データベースを入手する。
パワー社は12月31日までパワー・コンピューティングのロゴを使用しマック互換機を製造・販売する。同社は、Windows搭載のパソコン標準機を近く発売する予定で、今後は標準機の互換機メーカーへ転身する。
ほかの互換機メーカーとのライセンス協議も難航しており、マック互換機が消滅する恐れも強くなっている。
アップルの事実上の最高幹部、スティーブ・ジョブズ取締役は2日、記者団に対し、「アップルは(互換機という)幽霊を退治しなければならない」と述べ、将来的に互換機をなくす考えを示唆した。同取締役はまた、現行のライセンス契約は履行するが、契約を更新する考えのないことを明らかにした。
フレッド・アンダーソン最高財務責任者は、次期OS「ラプソディー」を互換機メーカーにライセンス供与するかどうかはまだ明らかでないと語っている。同財務責任者によると、アップルと競合しない形でのライセンス供与はあり得るという。互換機メーカーで、台湾系のユーマックス・コンピューターの幹部によると、アップルとのライセンス協議は継続中で、ユーマックスはアップルが取り扱っていない1000ドル以下のパソコン市場や、特定のアジア市場向けだけに互換機を販売する計画をアップルに提示中という。
ライセンス協議の最大の争点は、ライセンス料といわれている。MacOSのライセンス料は1台当たり約50ドル(約6000円)とみられるが、ジョブズ取締役によると開発コストに比べてライセンス料が安すぎるという。
「ライセンス供与に反対なのではない。(互換機メーカーへの実質的な)資金援助に反対しているのだ」と同取締役はいう。「ライセンス料の値上げを求めて、互換機メーカーを説得しようと協議を続けてきたが、頭ごなしに断わられた。努力は報われなかった」とも語っている。
一方の互換機メーカー幹部の多くは、ライセンス料の値上げには基本的に合意していると語っており、真相は明らかでない。
アップルが最初にライセンス供与に踏み切ったのは1994年。IBM互換機にシェアを奪われるのは、アップル製品に互換機がなく価格競争が行われないためで、シェア拡大のためにはライセンス供与が不可欠との判断からだった。
ところがハイテク調査会社データクエストによると、米国市場でのアップル製パソコンのシェアは94年の11.6%から97年には4.5%に急落。互換機を加えもマック陣営は5.5%にとどまっている。
このためアップル幹部の間では、互換機がマック陣営のシェア拡大に貢献せず、アップル製マックのシェアを浸食しているとの考えが強まっている。
しかし業界関係者の間には、互換機がなければアップル製パソコンのシェアはさらに低下しただろうという声が多い。
買収の発表直後からインターネット上の電子掲示板には、マックファンによる、買収に批判的なメッセージが数多く掲示された。あるユーザーは「オープン戦略をやめたアップルに未来はない。互換機と競争するのが恐くて、どうしてウィンテル(標準機)に対抗できるのだ。今度パソコンを買うときは、ウィンテル機を買うことに決めた」と書いている。
ウェブサイト「マック・セントラル」では2万人分の抗議の署名を集め、アップルに提出した。
米アップルコンピュータは2日、マッキントッシュ(愛称「マック」)の互換機メーカー、米パワー・コンピューティング社のMacOSライセンスなどの無形資産を1億ドルで買収すると発表した。アップルの互換機戦略の転換とみられている。
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