その他
NECパーソナルプロダクツ発足 パソコンシェア重視へ回帰
2003/07/07 15:00
週刊BCN 2003年07月07日vol.997掲載
6月30日、NECパーソナルプロダクツの発足会見が開催された。これまで販売を担当してきたNECカスタマックス、製造担当のNECカスタムテクニカに分かれていたコンシューマ向けパソコン事業を統合。新たに「NECパーソナルプロダクツ」を設立することで、「CS(顧客満足度)、スピード、シェアの3つでナンバーワンを目指す」と、新会社の社長に就任した片山徹氏は宣言。今後、1、2年以内に発売する予定の燃料電池採用パソコン、携帯電話サイズで片手で持ち歩けるマイクロPCなどを公開した。
新会社の事業内容は、コンシューマ向けパソコンの企画、開発・生産、販売、サポート、NEC本体が販売するビジネス向けパソコンの開発・生産、ビジネス向け情報機器の販売、ドットプリンタ、テープストレージをはじめとする情報端末機器の開発・生産など。従業員は2130人で、今年度(2004年3月期)は約4600億円の売り上げを見込む。NECのパソコン事業は01年、PC―98時代から堅持してきたトップシェアへのこだわりを捨て、「シェアは重視しない。利益を重視する」方針に大転換した。さらに、体制としても、NECカスタマックスが販売に特化し、製造は国内工場の統合などによって誕生したNECカスタムテクニカに任せることで、事業責任の明確化とスピードアップを図った。
しかし、昨年秋の新製品発表あたりから、再びトップシェア獲得の意向が示され、今回の新会社設立会見では、改めて「シェアでもナンバーワンを」と片山社長が宣言したのだ。利益だけでなくシェア獲得も必要な理由を、「利益重視という方針は、外部に当社の姿勢が伝わりにくい。シェアナンバーワンを堅持するということをパーソナルグループの目標としていく。今後は当社に限らず、色々な商品が出てきてパソコンはコモディティ(日用品)化する。コモディティ化した状況では、ナンバーワンシェアでなければ、事業が成立しない」と片山社長は説明する。
利益についても、02年度(03年3月期)下期には黒字化を達成。同上期は赤字だったために通期での黒字化には至らなかったものの、「03年度は上期から黒字化を実現し、通期黒字を実現する」と語る。利益を確保しつつ、トップシェアを獲得する原動力の1つが、今回公開された新技術の数々だろう。最近のNECのパソコンは平均点ではあるものの、先進的な蕫尖った技術﨟をもったものが見られなかった。インテル、マイクロソフトの新技術に合わせ、製品ロードマップを作ってきたNECだが、今回の会見ではマイクロソフトの「マ」の字も出さず、独自技術でシェア獲得を狙う意欲を見せたのだ。「新会社はこれまでのNECのパソコン事業とはひと味違う」ということをアピールしたかったのであろう。
ここ数年、NECのパソコン事業に対しては、販売店、ソフトメーカーなどのパートナー企業から、「方針や体制が分かりにくくなった」という声が挙がっていた。その原因は体制の変更、人事異動などが多かったため。NECとしても「異なる文化をもった人間が一堂に集められたことで、最初は互いに言葉が通じなかった」といった場面も多かったようだ。しかし、今回、製販一体となった新会社の発足会見を見ると、ようやく全社一丸となり、新時代に向けたNECのパソコンを作る準備が整ったように見える。いよいよ、PC―98の呪縛を解き、市場に攻め入る時ではないか。(三浦優子)
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