情報技術の革新は続く

少なくとも21世紀前半は、引き続きITの革新は続く。われわれIT業界は、進化し続けるITを必死になって消化し、顧客に届けるサイクルを繰り返すことになる。
ただし、ITの革新は続いても、ビジネスとしての落としどころは今後5年間で見えてくるはず。業界内の勝ち組と負け組は、より明確になっていることも間違いない。
さらに、業界と業界の壁も、ITの革新によって今以上に崩れてくる。崩れる壁はいくつか考えられるが、典型的なのがIT業界と通信業界の壁だろう。
5年後には、落ち着く先が見えてくることを願いたいが、実際はITの継続的な技術革新により、業界内外ともに流動的で不透明な時期が続く。
アジア全般を見渡しても、5年後の中国がどうなっているのか、ITの革新以上に誰も想像つかないのではないだろうか。「5年後のアジアのIT産業はこうだ!」と、勝手な未来像を想定するのではなく、今何が変わっているのかということを、随時把握しながら変化に適応していくしかない。
つまるところ、5年後の計画を立てて、それに向かって真っ直ぐ進むことなんて不可能である。「とりあえず、この方向で進み、何かが変わったら、すぐに変更できる」という柔軟さ、俊敏性、機動性を絶やさないことが肝心であろう。
変化適応能力を存分に発揮し、最先端のIT革新をいち早く消化し、顧客満足度の最大化に努めることで、5年後も成長する企業であり続けたい。