NECは、1995年からIAサーバを発売して以来、常に市場をリードしてきた。適材適所に使える多彩なラインナップと、高い価格性能比、充実のサポートが高く評価され、顧客満足度も高い。標準サーバから、ftサーバ、ブレードサーバといわれる高付加価値型サーバを提供し、市場を牽引している。5月には、Windows版の64ビットサーバExpress5800/1000シリーズを発表し、テクノロジーリーダーとして、新市場を開拓していく。
戦略製品の売上も好調
■コストパフォーマンスと品質+サポートの重要性
NECは、Express5800/100シリーズを1995年に発売して以来、2001年のftサーバ、2002年ブレードサーバ、2003年5月の64ビットサーバ強化と、IAサーバ業界をリードし続け、国内IAサーバ市場では7年連続シェアNo.1(※1)を獲得している。「機能や品質、コストパフォーマンスはもちろんのこと、サポートも重要だと考えています。全国に広がる429ヵ所(※2)の保守拠点により、ユーザー様はいつでも安心してサポートを受けられます。また、販売店様が行う自営保守など、パートナー様との協力体制を取らせていただいております。故障対応時に迅速に対応できるのも、パートナー様のおかげです。
国内IAサーバ市場でシェアNo.1を獲得いたしましたが、充実のサポート体制や多彩な製品ラインナップが評価された結果であると考えています」と、NECクライアント・サーバ販売推進本部乙黒孝夫本部長。
■標準サーバや用途別サーバなど、製品のラインナップも豊富 NECでは、標準サーバから高機能サーバまで、幅広くラインナップをそろえる商品戦略を展開している。これは、販売店やユーザが、ニーズにあわせて必要なサーバを選択できるようにするためである。また、販売面から、サーバに対して3つのとらえ方をしている。
基盤となる標準サーバは、中国・海外生産など、コスト体力を強化する戦略をとる。IA-32の高付加価値モデルでは、ハードウェアを二重化し、障害や保守中にも停止しないftサーバや、拡張性が高く省スペースですむブレードサーバ、NASサーバなど、標準サーバにNEC独自技術による付加価値をつけ、他社製品との差別化をはかっている。
ftサーバは、停止することが許されない医療関係、行政サービス・文書管理サービスなどで導入され、電子カルテシステムや住民情報サービスなどに広く利用されている。
ブレードサーバは、集積や拡張性だけではなくメンテナンスや管理のしやすさも考慮して作られている。現在ユーザーは、タワー型からラック型に移行する傾向にあるが、更に今後はブレードサーバに移っていくだろうとNECは考えている。必要に応じて必要なときにユニットを足していくことで、サーバが増強できる。そういう時代がもう目の前に来ていると、予想しているのだ。
■新市場開拓のため新たなサーバを開発
NECの新市場開拓モデルとして、ネットワークとサーバの技術を融合したiExpress5800シリーズや、64ビットCPUItanium2とWindows Server2003とを組み合わせて高性能を追求したExpress5800/1000シリーズなどを投入した。
「ユビキタス時代に向けた電子会議システムやIP電話、リモートでの電子会議システムなどは、来年・再来年に花が咲く分野です。これからも、先を見ながら率先して市場開拓を行っていきます。パートナー様とも研究会を開き、使い方なども含めて協力して提案しながら、一緒に新しい市場を開拓していきたいと思っております」
今後は、提案型のバリュー商品と指名買いのボリューム商品を組み合わせた販売戦略を展開していく予定だ。大企業や中堅企業のユーザーにはソリューションを含めてパック化した商品を提案し、小規模企業やSOHO向けには、価格訴求戦略をとっていく。「パートナー様が販売しやすい、つまりはお客様が買いやすい価格の製品を提供していきます。さらに、パッケージや販売力というパートナー様の強みも生かしながら、付加価値のある製品を販売していただければと思っています。また、地域向けのプロモーションや、マイクロソフトやインテルと連携したキャンペーンなど、様々な宣伝広告や広報活動を展開しております。このような積極的なプロモーションによって、市場全体を盛り上げていきたいと考えております」
■パートナー企業や販売店との協力・バックアップ態勢 パートナー企業や、販売店へのサポートも充実しているため、顧客満足度が高い。
「パートナー様や販売店の皆様に、製品やサービスに関するあらゆる質問、営業活動に於いての問題点にお応えするために、ファーストコンタクトセンターを設置しました。わからないことがあれば、何でもこちらにご相談ください。すばやい対応が重要ですので、1日以内の回答を目指して努力しております。現在では、Webを含めて85%以上が1日以内で回答しております。回答にあまりにも時間がかかってしまっては、お客さまやパートナー様のサポートになりませんから。
また、社内でも“CS社長賞”や“サービスクオリティコンテスト”などCS向上のためのスキルアップを目指して、日々努力しております」
最後に乙黒本部長は、次のように語った。「現在はIAサーバは、価格が優先されすぎている部分があります。しかし、基本的に保守やサポートといった分野が重要だと考えております。サーバを買っていただいてから、長いお付き合いが始まります。そのためにも、パートナー様との連携や協力が重要となっております。
また、市場に対してNECは“ダイナミックコラボレーション”というメッセージを発信しております。自社の中核となる競争力(コア・コンピタンス)を磨き、各社のコア・コンピタンスを持ち寄ることによって、強いビジネスを作り上げていきましょうというメッセージです。今後とも新しい製品を投入していきますのでよろしくお願いいたします」
※1:ガートナーデータクエスト「1996-2002年暦年国内IAサーバ出荷台数、出荷金額」 出典:ガートナー データクエスト(2003年5月、国内サーバ&ワークステーション市場四半期出荷統計)GJ03334
※2:2003年3月現在【BCNへのメッセージ】 1000号、おめでとうございます。1000号も発刊できたということは、それだけ支持を受けているという証拠です。最新情報が掲載されていますので、私もよく読ませていただいております。メーカーや各種ベンダー間の情報を知る場を提供されたということには、大きな意味があると思います。ますますのご発展をお祈りしております。