その他
JEITA、電子産業の見通しを発表 生産額が3年ぶりにプラス
2003/12/22 15:00
週刊BCN 2003年12月22日vol.1020掲載
電子情報技術産業協会(JEITA)は、2003年における電子産業の国内生産額が前年比5.8%増と、3年ぶりにプラスとなる見通しを示した。増加の要因は、薄型テレビやDVDレコーダーなどのデジタル機器が好調だったことが大きい。地上デジタル放送に対応したテレビも、順調に出荷台数が増えている。これに伴い、電子部品やデバイスの生産も伸びている。一方、パソコンは価格下落や海外生産シフトなどで前年を下回り、04年も厳しい状況が見込まれる。今後は、デジタル家電を切り口とした機器が電子産業を支えそうだ。(佐相彰彦●取材/文)
デジタル家電が拡大の起爆剤
■03年は前年比5.8%増へ
JEITAによれば、03年における電子産業の国内生産は、前年比5.8%増の19兆823億1900万円になる見通し。この予測は、03年1-9月までの生産実績をもとに算出しており、9か月間の実績は前年同期比4.9%増だった。
JEITAの佐々木元会長(NEC会長)は、「企業収益が徐々に改善しており、日本景気が回復傾向に向かっている」と明るい見通しを述べ、電子産業の生産が3年ぶりに前年を上回ると予測した。
品目別では、民生用電子機器が前年比14.9%増の2兆27260億円となる見通し。液晶テレビやPDP(プラズマディスプレイパネル)テレビなど「テレビジョン受信機」が同20.3%増の4080億円、DVDレコーダーなど「DVD-ビデオ」が同40.3%増の1200億円、「デジタルカメラ」が同40.1%増の6110億円、「カーナビゲーション」が同30.0%増の3440億円と好調に生産を伸ばしている。これに呼応する形で「電子部品・デバイス」も、同6.8%増の9兆2066億2400万円の見込みだ。
一方、産業用電子機器では、「パソコン」が同12.9%減の1兆900億円と前年割れを予測している。パソコンの落ち込みは、価格の下落が続いていること、パソコンメーカーが生産を海外にシフトしていること、中古市場が拡大していることなどが影響した。
しかし、カメラ付き携帯電話の需要が拡大したことにより、「無線通信機器」が同24.2%増の2兆7032億3000万円と大きく伸び、産業用電子機器全体では同1.3%増の7兆6030億9500万円になる見通しだ。
■デジタル機器が引き続き好調
電子産業の04年国内生産見通しは、前年比6.5%増の20兆3137億100万円を予測する。03年に続き前年増となるのは、「薄型テレビやDVDレコーダー、カーナビゲーションなどデジタル機器の需要拡大が04年も続く」(佐々木会長)ためだ。
加えて、地上デジタル放送に対応したテレビの需要が高まるとみている。JEITAによれば、チューナーを含めた地上デジタル放送受信機の出荷台数は、11月末時点で累計31万以上。11月の1か月間は、地上デジタル液晶テレビが4万1000台と10型以上の液晶テレビ全体の30%程度、地上デジタルPDPテレビが2万2000台とPDPテレビ全体の70%程度を占めるようになったという。12月1日から地上デジタル放送が開始されたことで、需要がますます伸びる――というのがJEITAの見解だ。
これにより、民生用電子機器は同11.5%増の2兆5330億円を見込む。この拡大にともない、電子部品・デバイスが同9.2%増の10兆558億1700万円と予測する。
一方、パソコンは中古市場が急速に拡大する傾向にあり、同0.9%減の1兆800億円の見通し。JEITAでは、携帯電話は個人普及率が60%以上に達し、新規需要が見込めないことから、無線通信機器は同4.6%増の2兆8287億5000万円にとどまるとみており、産業用電子機器全体では同1.6%増の7兆7248億8400万円と予測している。
電子産業を支えていた産業用電子機器の構成比は、97年の51.3%をピークに縮小傾向にあり、これはパソコンの国内生産量の減少が影響しているのは確かだ。
今後は、デジタル家電を切り口に、民生用電子機器の国内生産量が高まり、電子産業を拡大させる牽引役になると見られる。来年は、デジタル家電が本格普及する年となりそうだ。
電子情報技術産業協会(JEITA)は、2003年における電子産業の国内生産額が前年比5.8%増と、3年ぶりにプラスとなる見通しを示した。増加の要因は、薄型テレビやDVDレコーダーなどのデジタル機器が好調だったことが大きい。地上デジタル放送に対応したテレビも、順調に出荷台数が増えている。これに伴い、電子部品やデバイスの生産も伸びている。一方、パソコンは価格下落や海外生産シフトなどで前年を下回り、04年も厳しい状況が見込まれる。今後は、デジタル家電を切り口とした機器が電子産業を支えそうだ。(佐相彰彦●取材/文)
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