その他
03年セキュリティ市場を振り返る
2003/12/22 15:00
週刊BCN 2003年12月22日vol.1020掲載
製品の統合とハード化路線が定着
群雄割拠の時代へ――。情報セキュリティ市場で、外部アタック対策製品を手がけるセキュリティベンダーのシェア争いが2004年の焦点になりそうだ。「MS Blaster(ブラスター)」や「SQL Slammer(スラマー)」のウイルス蔓延に、相次ぐ個人情報漏えい事件の発生と、今年は情報セキュリティ対策の必要性、重要性がより一層叫ばれた1年だった。国家レベルでの動きも活発化し、5月に「個人情報保護法」が成立。10月には経済産業省が、わが国にとって初めて情報セキュリティの総合的な方向性を示す「情報セキュリティ総合戦略」を策定した。欧米に比べ"安全対策に疎い"日本が、ようやくセキュリティ対策に本腰を入れ始めたと言える。
一方、セキュリティ市場は、この流れを追い風に好調に推移。セキュリティベンダー各社は、前年を上回る業績を上げることが確実という状況だ。そんななか、外部アタック対策製品を手がけるセキュリティベンダー各社の製品が「統合化」、「ハードウェア化」へと一斉に向き始めた。ウイルス対策やファイアウォール、不正侵入検知システム(IDS)、スパム対策など、複数の機能を1つの筐体に盛り込んで提供する"統合ハードウェア"戦略がそれだ。
シマンテックは、今年9月にアンチウイルスをはじめ、7つの機能を盛り込んだハードを発表。日本ネットワークアソシエイツ(NAC)でも、米本社がセキュリティベンダー2社を買収し機能強化を図ったことで、従来のハードにIDSやスパム対策などの新機能を追加している。このほか、IDSベンダーのインターネットセキュリティシステムズ(ISS)、ファイアウォールベンダーのソニックウォールなども同様の動きを見せる。また、統合ハード化戦略に一線を画してきたトレンドマイクロも、来年早々に中小企業を対象とした統合ハードウェア製品を発表する予定だ。
シマンテックの野々下幸治・システムエンジニアリング本部長は、「情報システムが複雑化するなか、複数のセキュリティ機能を1つの箱に収めることで、導入・運用・管理の部分で大きなメリットをもたらす」と、その優位性を強調する。ISSの松崎義雄・コーポレイトディベロップメント・国内営業統括部長は、「統合ハードウェアは今後の主流になるのは確実。当社もこれに対応するため、米本社が企業買収や組織拡充などで統合製品を手がけられる体制を作った」という。
また、ファイアウォール最大手のチェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズは、「統合することは各機能の質を下げる。当社はファイアウォールにこだわる」(卯城大士技術部長)と、統合戦略は否定するものの、ハード化に関しては同じ路線を目指す動きもある。11月、同社にとって初めてのハードベースのファイアウォール製品を開発、販売開始した。中小企業向けをメインターゲットとしており、「大企業を中心にファイアウォールの需要が一巡した。だが、中堅・中小企業などではこれから需要が広がる。運用管理が簡単なハードウェアは、中小企業に受け入れやすいと判断した」と、卯城部長はその理由を説明する。セキュリティベンダーはこれまで、ウイルス対策、ファイアウォール、IDSなど、それぞれの持ち場でビジネスを手がけてきた。だが、今後は同じ土俵で競うことになる。まずは来年に、情報資産を外部アタックから守るセキュリティ製品を手がけるベンダー間のシェア争いが激しくなる。 木村剛士●取材/文
続きは「週刊BCN+会員」のみ
ご覧になれます。
(登録無料:所要時間1分程度)
新規会員登録はこちら(登録無料)
ログイン
週刊BCNについて詳しく見る
- 注目のキーパーソンへのインタビューや市場を深掘りした解説・特集など毎週更新される会員限定記事が読み放題!
- メールマガジンを毎日配信(土日祝をのぞく)
- イベント・セミナー情報の告知が可能(登録および更新)
SIerをはじめ、ITベンダーが読者の多くを占める「週刊BCN+」が集客をサポートします。
- 企業向けIT製品の導入事例情報の詳細PDFデータを何件でもダウンロードし放題!…etc…