その他
どうなるRoHS規制
2004/04/19 15:00
週刊BCN 2004年04月19日vol.1036掲載
メーカーの対応も右往左往
〝日本〟のIT関連メーカーは再び厳しい環境規制に晒されている。地球規模の環境問題には、フロン規制や温暖化防止のための温室効果ガス削減など、世界に先駆けて環境規制に対応。国内では家電やパソコン、さらに自動車リサイクルを実施するなど、日本の製造業は環境対策を積極的に進めてきた。そこに立ちはだかるのが、欧州連合(EU)が2006年7月1日からの実施を決めている「RoH S規制」という壁だ。EUのRoHS(有害物質使用制限指令)は化学物質の使用に関する規制であり、WEEE(使用済み電気・電子機器に関する指令)規制と並んで02年10月に指令内容が確定された後、03年2月に、これらの規制が正式に発効した。
RoHS規制で、使用が禁止された化学物質は鉛(Pb)、水銀(Hg)、カドミウム(Cd)、六価クロム(Cr+6)、ポリ臭化ビフェニール(PBB)、ポリ臭化ディフェニール(PBDE)の6物質。鉛ははんだの材料として電機・電子部品には広く使用されている。しかし、国内の電機・電子メーカーでは、環境対応の一環として、鉛フリーのはんだへの転換を進めている。半面、臭素系の物質は難燃材料として、電機・電子部品にまだ広く使用されている。06年7月1日から規制が実施されることは決まっているものの、メーカーの担当者によれば、「情報が全く入ってこない」状況という。現段階でも「使用規制といっても、物質によってはわずかな量の使用が認められるという話もあり、確実な情報が少ない」(メーカーの環境担当者)のだという。
06年7月以降に欧州に輸入される電機・電子機器は厳しい環境規制をクリアしなければならない。結果、輸入の際の通関でクリアしていない製品がはねられることになるが、では、通関の必要がない欧州域内のメーカーへの対応はどうなるのか、という疑問も出てくる。日本の電機・電子産業は、RoHS指令の決定以後、相次ぎ指定物質の使用削減から、規制開始までの使用禁止を盛り込んだ環境対策を決めている。使用期間の長い通信インフラ関連の製品によっては、「設計を白紙に戻し、部品の検討からやり直している」ケースも出ているという。
日本が素材メーカーも含めて、対策に乗り出すなかで、欧州系メーカーをはじめとして、メーカーごとにその解釈の仕方に大きな開きも出てきた。「ICひとつとっても、完成品に含まれる物質の総量に対する含有率でいいとする考え方と、ICの材料ごとの含有量で規制されるという解釈も成り立つ」とか。要は、都合よく解釈されている。なかには、「まったくRoHS指令を無視している米国の大手ICメーカーもある」(国内大手ベンダー担当者)という。
こうした全てがあいまいな状況にあるために、新製品の企画や開発の段階から、部品や部材の選定が複雑になる。ある大手ベンダーでは、昨年末から急きょ、自社だけでなく調達先に対してもこれら6物質の含有の有無の調査を開始した。「この調査は、新製品や新しい部品が出るたびに続く。終わりのない仕事」とため息の1つもつきたくなる。さらに、「人件費や分析費用を考えても相当なコストアップは避けられない」。代替物質の採用が製品の性能低下につながらないか、耐久性が保証できるか、といった未知数の部分もある。環境規制は今後も厳しくなっていくのは確実だ。日本メーカーの律儀さは、当たり前のことだが、少なくとも規制内容をはっきり決めるのが先決だろう。 川井直樹(本紙副編集長)●取材/文
続きは「週刊BCN+会員」のみ
ご覧になれます。
(登録無料:所要時間1分程度)
新規会員登録はこちら(登録無料)
ログイン
週刊BCNについて詳しく見る
- 注目のキーパーソンへのインタビューや市場を深掘りした解説・特集など毎週更新される会員限定記事が読み放題!
- メールマガジンを毎日配信(土日祝をのぞく)
- イベント・セミナー情報の告知が可能(登録および更新)
SIerをはじめ、ITベンダーが読者の多くを占める「週刊BCN+」が集客をサポートします。
- 企業向けIT製品の導入事例情報の詳細PDFデータを何件でもダウンロードし放題!…etc…