その他
マイクロソフト、「SP2」の配布を開始
2004/09/13 15:00
週刊BCN 2004年09月13日vol.1055掲載
セキュリティ業界に追い風
マイクロソフトが今月2日午前0時から配布を開始した「ウィンドウズXPサービスパック2セキュリティ機能強化搭載(SP2)」。このアップデートプログラムの配布は、セキュリティベンダーに新たなビジネスチャンスをもたらしそうだ。SP2の特徴はセキュリティ機能の大幅な強化だ。「セキュアなコンピューティング環境実現のための基盤であり、重要なステップ」(マイケル・ローディング社長)とマイクロソフトの意気込みは大きい。全国2万5000局の郵便局でもCD─ROMを配布するなど、SP2の配布による、ユーザーの高度なセキュリティレベルの確保を狙う。
ファイアウォールをデフォルトで有効にしたり、セキュリティ関連機能を一元管理できる機能がSP2のセキュリティ強化の一例。なかでも、ウイルス対策ソフトが入っていないパソコンに、ポップアップでウイルス対策ソフトの活用を促す機能がある。この機能にウイルス対策ソフトメーカーは、セキュリティソフトの販売に追い風が吹くとみる。マカフィーの田中辰夫・執行役員コンシューマー営業統括本部長は、「ユーザーは自然とウイルス対策の必要性を感じるようになる」とこの機能を歓迎し、「未開拓ユーザーの獲得に寄与する」確信を持つ。トレンドマイクロの宍倉豊・営業統括本部リテールパートナーセールスグループディレクターも同様の見解。「ウイルス対策の重要性を初心者でも感じることは間違いない。マイクロソフトがこれまで以上に、セキュリティの必要性を広告・宣伝してくれることも大きい」。
マカフィーでは、ウイルス対策だけでなく、SP2の適用後はファイアウォールがデフォルトで有効になることで、「ファイアウォールに対する関心も高まり、さらに豊富な機能を求めるユーザーも出てくる」(田中執行役員)と、追い風はウイルス対策にとどまらないと予測。今秋に発売するセキュリティソフトシリーズの新バージョンでは、ファイアウォールだけを提供するパッケージ製品も新たに追加投入する計画を立てた。日本エフ・セキュアでも「SP2の配布後のタイミングで発売する計画だった」(渡邊宏代表取締役)というウィンドウズ搭載パソコン向けの統合セキュリティソフトを年内に投入する準備に入った。
セキュリティパッチ一括配布・管理ソフトのアップデートテクノロジーでは、8月下旬に新バージョンを投入した。最大270MBと過去最大容量のSP2をネットワークに負荷がかからないように配布するため、負荷分散機能を盛り込んだ。永来真治・取締役営業担当は、「昨年はMSブラスターで販売が伸びたが、今年の起爆剤になるのはSP2」と語り、全国をカバーする販売パートナー網の確立を急ぐ。セキュリティメーカーだけではなく、システムインテグレータのなかでもSP2をビジネス拡大のきっかけにする動きがある。
ある中堅システムインテグレータは、セキュリティのコンサルティングについて「パッチ配布・管理は、無料ツールも出ており、ツールに金をかけないでユーザーにコンサルティングでき、利益を確保しやすい。SP2の配布でユーザーのセキュリティ意識が刺激され、案件は増える」と、パッチ配布・管理コンサルティングを重視する動きが見られる。相次ぐ脆弱性の発見とその対策を繰り返しながら、遅まきながらマイクロソフトが投入したSP2は、セキュリティ市場を活性化させる要因にもなるだろう。(木村剛士●取材/文)
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