内田洋行(向井眞一社長)は、独自開発のERP(統合基幹業務システム)「スーパーカクテル」関連の売上高で、来年度(2006年7月期)に前年度比1.5倍の約300億円を目指す。今年7月をめどにマイクロソフトのプラットフォーム「.NETフレームワーク」対応のスーパーカクテル新製品を投入すると同時に、従来の富士通系の販売チャネルに加え、日本アイ・ビー・エム(日本IBM)など他ベンダーの販売チャネルを活用した拡販にも力を入れる。
富士通系に加え、日本IBM系チャネルも活用
今年度(05年7月期)のスーパーカクテル関連の売上高は前年度並みの約200億円の見込みだが、来年度は“次世代スーパーカクテル”と位置づける大型商材の投入で、売上高を一気に100億円上乗せする計画を立てる。
次期スーパーカクテルは、マイクロソフトの.NETフレームワークに対応し、データベースはIBMのDB2などに対応する。これにより、マイクロソフトや日本IBMなど有力ベンダーからの支援を取り付ける考え。内田洋行は富士通のビジネスパートナーでもあるが、「各ベンダーの支援策を最大限に活用する」(秦輝雄・常務取締役情報システム事業部事業部長)と、有力ベンダーのリソースを新製品の拡販に役立てる。
日本IBMは、オリジナルの有力業務アプリケーションを持つISV(独立系ソフトウェアベンダー)やシステムインテグレータ向けの支援策を強化しており、支援と引き替えにIBM製のミドルウェアへの対応を働きかけている。内田洋行はこの要請に応える形で、従来の富士通系のチャネルに加え、日本IBM系の販売チャネルも活用していく。同時に.NETフレームワークに対応することで、マイクロソフトとの関係強化も狙う。
内田洋行と提携関係にあるシステムインテグレータなどで構成する販売組織「ユーザック会」の活性化にも取り組む。日本IBMや日立製作所、東芝などの大手ベンダーと取り引きがある有力システムインテグレータを新たにユーザック会の活動に参加してもらえるよう取り組む。
日本IBMの沖縄県地区の有力ビジネスパートナー、創和ビジネス・マシンズ(岸本政善社長)が昨年8月に新しくユーザック会に加わるなど、次期スーパーカクテルの投入のタイミングに向けてユーザック会の活動が活発化している。これまで沖縄地区で有力な販売チャネルがなかった内田洋行にとって強力な援軍となる。創和ビジネス・マシンズでは、DB2対応の「次期スーパーカクテルの販売に力を入れる」(中村孝・創和ビジネス・マシンズ取締役)と拡販に意欲を示す。
ユーザック会は現在全国約80社が参加しているが、内田洋行では有力なシステムインテグレータに参加を呼びかけ、ここ1-2年のうちに「100社に増やす」(秦常務取締役)と販売力の増強を進める。現在、スーパーカクテル事業の売上高のうち、内田洋行による直販とユーザック会などパートナー経由による販売比率はほぼ半々だが、来年度は販売本数の大幅増が見込めることから、直販を強化すると同時に、パートナー経由での販売にも力を入れる。
また、ソフトウェアの部品化によるカスタマイズの効率化、導入後の運用サービスの円滑化にも取り組む。今年度下期のスタート日となる今年1月21日付で、カスタマイズや運用サービスの効率化を担当する「ソリューションサービス部」を新設しており、納期短縮や顧客満足度の向上に努める。スーパーカクテル事業で注力している食品卸、梱包資材、商社などの業種向けのカスタマイズについては、「部品の再利用率4-5割の高水準を維持する」(同)ことで、コスト削減と納期短縮を目指す。
スーパーカクテルシリーズの販売管理システムは、同分野で「事実上のデファクトスタンダード」(内田洋行)とシェアを伸ばしているのに対し、財務会計や人事給与は他ベンダーに押され気味だ。
これを挽回するため下期から財務会計、人事給与を専門に販売する新組織「CSソリューション2課」を設け、販売、財務、給与をバランス良く販売していく体制を敷いた。これらの施策により、来年度はスーパーカクテル事業の大幅拡大を狙う。