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2月16日、「京都議定書」発効 2010年までにCO2排出量を6%削減
2005/02/28 15:00
週刊BCN 2005年02月28日vol.1078掲載
1997年12月に京都市で開催された気候変動枠組み条約第3回締約国会議(COP3=地球温暖化防止京都会議)で定められた「京都議定書」が、2月16日にようやく発効した。日本は、2010年をめどに二酸化炭素(CO2)排出量を90年比6%削減しなければならない。地球温暖化防止京都会議以降、日本企業は積極的に環境対策を講じてきた。それにもかかわらずCO2排出量は増加の一途。CO2排出量削減のためにIT化の推進や新しい社会システムの確立が求められている。(川井直樹(本紙副編集長)●取材/文)
環境対策のためにIT技術の活用を
■経済同友会、「8つの提言」
経済同友会の地球環境・エネルギー委員会(佐々木元委員長=NEC会長)、「地球温暖化問題の克服に向けての8つの提言」をまとめた。提言1「わが国のストックに存在するポテンシャルを発掘せよ」、提言2「モーダルシフトの可能性に大いに目を向けよ」、提言3「発想の転換を図れ」、提言4「国民の意識改革に向けた教育・コミュニケーションを強化せよ」、提言5「エネルギーに関わる長期的な国家戦略の確立を」、提言6「国内対策での成果で世界に貢献すべし」、提言7「京都メカニズムを積極的に活用せよ」、提言8「あらゆる国が参加する枠組みを-ポスト京都に向けて-」がその中身。
提言1については、企業の生産設備や事務所スペース、約4700万戸の住宅と使われている家電機器など耐久消費財、約7000万台の自動車、これら莫大なストックを高効率機器などに転換することやIT技術の活用でCO2排出削減ポテンシャルを顕在化すべき──とする内容だ。大量消費がCO2排出削減の壁となる。しかし、新しい技術を活用し、省エネルギー設計、資源消費を抑えた機能を持つ製品の普及は、結果的にCO2削減に効果をあげる。
情報のデジタル化は、ペーパーレスにつながり森林資源の破壊を防ぎ、それによるCO2吸収量拡大にもつながる。ブロードバンドネットワークの普及が、企業のビジネス形態にも変革をもたらした。ビジネスが効率化することで、操業時間短縮や移動の削減が図れれば省エネにつながる。そうした「削減ポテンシャル」は経済同友会によれば年間7500万トンとしており、提言1-5の総計では年間約1億2600万トンとみる。
■「ゴールではなくスタート」
目下の状況で増え続けるCO2排出量を削減に向かわせるためには、社会システムと生活スタイル変革が必要ということだ。このために、一時的に痛みを伴うだろうが、地球温暖化による環境破壊はそれ以上の苦しみをもたらす。
日本のIT業界は、他の業界に先駆けて環境対策を推進してきた。メーカー各社は「環境報告書」を毎年発行しており、家電リサイクルやパソコンリサイクルといった資源の有効活用にも積極的だ。環境経営は、ビジネス拡大と逆行するわけではないことを証明している。
世界最大のCO2排出国である米国は、経済停滞を招かないために京都議定書に参加していない。しかし、発想の転換が新ビジネスを生んでいるケースもある。CO2排出量の取り引きはその端的な例であり、環境対策のための新技術開発への投資も拡大している。京都議定書発効はゴールではなくスタートに過ぎない。CO2削減型の新しい社会、経済システムへの移行が本格化する。
1997年12月に京都市で開催された気候変動枠組み条約第3回締約国会議(COP3=地球温暖化防止京都会議)で定められた「京都議定書」が、2月16日にようやく発効した。日本は、2010年をめどに二酸化炭素(CO2)排出量を90年比6%削減しなければならない。地球温暖化防止京都会議以降、日本企業は積極的に環境対策を講じてきた。それにもかかわらずCO2排出量は増加の一途。CO2排出量削減のためにIT化の推進や新しい社会システムの確立が求められている。(川井直樹(本紙副編集長)●取材/文)
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