その他
競争激化する携帯オーディオ市場 各社、フォト機能や動画再生で差別化
2005/07/25 15:00
週刊BCN 2005年07月25日vol.1098掲載
成長が続く携帯オーディオ市場でメーカー各社がシェアの拡大に向け、音質やデザイン性の追究はもとより、付加機能やコンテンツの拡充による差別化を打ち出し始めた。携帯オーディオにフォトビューワ機能や動画再生機能を付加することで、新たな“楽しみ方”を提案。ハードウェアの性能向上とともに、多彩なコンテンツと連携した展開に力を入れている。(田澤理恵●取材/文)
付加機能やコンテンツサービスがカギ ■“楽しみ方”を重視するアップル 現在、携帯オーディオ市場の勢力図は、HDD(ハードディスクドライブ)タイプの「iPod(アイポッド)」、「iPod mini(アイポッドミニ)」のヒットにより、アップルコンピュータが独壇場ともいえる圧倒的なシェアを確保している。そんな同社は今年6月以降、「iPod mini」を除くHDD型「iPod」シリーズの全モデルにカラー液晶を搭載し、フォト機能が楽しめるようにした。 同社では、「製品の差別化という考え方ではなく、何ができるかソリューションとして写真の見せかたを変える提案」(小西達矢・プロダクトマーケティングiPod/Music Application担当課長)と、差別化というより“楽しみ方”の提案を重視する姿勢を貫く。 「ウォークマン」で携帯オーディオの文化を築いたソニーは、音楽が好きな人が「ストレスなく快適に聴けるように進化させていくアイデアはいくらでもある」(市村公延・コネクトカンパニーPD商品設計部1課統括課長)と、音質に対して絶対の自信を示す。アップルの後塵を拝したHDDタイプの製品化については「1999年ごろから着手しようと考えていた」(同)が、「HDDディスクの信頼性を考えると当時は慎重だった」(同)経緯もある。ただ、音質に関しては「リオ、クリエイティブに対して意識はしていたが、アップルをライバル視したことはない」との余裕も見せる。 各種AV(音響・映像)製品で培ってきた技術を次世代製品にも継承しようとする東芝も、同じく「オーディオであることにこだわる」(加茂朗・モバイルギガ事業部モバイルギガ営業部国内担当部長代理)と音質重視の姿勢を示す。とはいえ、そうした同社もフォトビューワ機能は女性からのニーズが高いと分析しており、女性をターゲットとした製品強化を図っていく方針。現在はアップルに凌駕されているが、「今すぐにアップルを超えることはできなくても、初期のデジタルカメラ市場のように、勢力図が塗り替る可能性はある」(同)と期待をかける。■入れ替わり激しいフラッシュメモリタイプ オリンパスは昨年11月から、「写真と音楽を一緒に楽しめる」をコンセプトに、フォト機能を搭載したHDDタイプの「m:robe MR-500i」を市場投入している。アップルのカラー液晶搭載モデルが呼び水となって市場拡大が進めば、同社の「パーソナルコンテンツを持ち運ぶ楽しさを様々な観点から提案していく」(オリンパスイメージングの喜田哲生・マーケティング本部オーディオ事業推進部企画営業グループ課長代理)という戦略にも追い風が吹いてくる。05年は、「フラッシュメモリタイプの市場が今秋の段階では、512MB、1Gが主流になると想定」(同)して、HDDとフラッシュ両分野の製品強化を図っていく方針だ。 HDDタイプでは、現在アップルの牙城に揺るぎはないが、フラッシュメモリタイプでは、シェアの入れ替わりが激しく、メーカー間の争いはますます激化しそうだ。今年1月、アップルが販売開始した「iPod shuffle(アイポッドシャッフル)」は、携帯オーディオ人気に拍車をかけた。ただ、その後「iPod shuffle」は、3月にフラッシュメモリタイプのメーカー別シェアでピークに達し、3、4月も首位を獲得したが、ソニーによるネットワークウォークマンの市場投入で、5、6月ともにソニーに首位の座を奪われた。フラッシュメモリタイプの市場は、昨年までリオジャパン、アイリバー・ジャパンが2強体制を築いていただけに、HDDタイプに比べると順位の入れ替わりはめまぐるしい。 アイリバー・ジャパンは、動画再生対応の戦略製品「U10」を8月から市場投入すると発表し、同月から動画ダウンロード配信サービス、05年末には音楽配信事業の開始を予定している。また、エヌエイチジェイ(NHJ)は、すでに音楽ダウンロードを開始しており、「コンテンツとハードの融合」を今後さらに推進してしていく考えだ。 ソニーのネットワークウォークマンは、レーベルゲートが運営する「Mora(モーラ)」から音楽をダウンロードできる仕組みをすでに提供。また、アップルは「音楽のオンラインストア『iTunes Music Store』を05年末までに開始する予定」(広報担当者)だ。オリンパスイメージングも、今後の展開は未定としているものの、「音楽配信サービスなどのコンテンツサービスは携帯オーディオの付加価値として必要」と捉えている。 音質、デザインによる差別化にとどまらず、オーディオ以外の付加機能やコンテンツサービスをどこまで充実させることができるか。成長市場を巡り、今後各社は激しく火花を散らすことになりそうだ。
成長が続く携帯オーディオ市場でメーカー各社がシェアの拡大に向け、音質やデザイン性の追究はもとより、付加機能やコンテンツの拡充による差別化を打ち出し始めた。携帯オーディオにフォトビューワ機能や動画再生機能を付加することで、新たな“楽しみ方”を提案。ハードウェアの性能向上とともに、多彩なコンテンツと連携した展開に力を入れている。(田澤理恵●取材/文)
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