その他
ECサイト各社、アフィリエイトを強化 重要な流通チャネルへ成長の可能性
2005/08/29 15:00
週刊BCN 2005年08月29日vol.1102掲載
EC(電子商取引)市場の拡大に合わせ、各種ECサイトはブログなどによる個人の生の声を情報源とする消費者行動に着目し、アフィリエイトプログラム(アソシエイトプログラム)による流通チャネルの強化に相次ぎ乗り出している。パソコンサイトのほか、携帯サイトでのアフィリエイト対応に力を入れる企業も出てきており、今後、アフィリエイトによる流通チャネルの拡大が予想される。(田澤理恵●取材/文)
ユーザーの口コミ情報を購買に生かす
■アマゾンジャパンは2001年に開始
アマゾンジャパンは、2001年5月にパソコンサイトのアフィリエイト「アマゾンアソシエイト・プログラム」を開始し、各種ECサイトの中でも早くからアフィリエイトを手がけてきた。今月7月からは携帯サイトでの対応を開始している。アマゾンジャパンの「アソシエイト・サイト」登録数は、04年は前年比250%増となるなど、ブログの成長などを背景に顕著な伸びを示しているという。アフィリエイトプログラムの参加者構成は、「現在は法人サイトが多いが、今後は個人の運営者も育っていくだろう」(竹村詠美・マーケティングシニアマネージャー)と分析している。
ソニースタイル・ジャパンは、ソニー製品のウェブ直販サイト「ソニースタイル」で、アフィリエイトの仕組みを活用したポイント還元サービス「ショッピング・パレット」を昨年12月から導入した。ショッピング・パレットを通じて楽天やアマゾン、「ヤフーショッピング」など128店(7月14日現在)の提携店で買い物をすると、購入金額に応じてソニースタイルクーポンとして購入者に還元するか、電子マネー「Edy(エディ)」に換金する仕組み。
「自動的にポイントが貯まる循環系を作り、ウェブビジネス全体を盛んにする」(杉山博高取締役)役割を担うとともに、ソニー製品の購入を考えていなくても、貯まったポイントを利用してソニースタイルで買い物をするきっかけを作ることができるため、最終的に集客増につなげる狙いがある。
総合情報サイト「オールアバウト」を運営するオールアバウトは、今年5月にオンラインショップ「オールアバウトスタイルストア」をオープンした。アフィリエイトプログラムは、オープン直後の6月から「高い宣伝効果が期待できる」(徳島久輝・スタイルストア事業部マネジャー)と判断しスタートした。現在、アフィリエイトの開始から約2か月だが、「大きく伸びていく実感はある」(同)と手応えを感じている様子。ユーザーに“気付き”と“発見”を与えて購買に結びつける「ライフスタイル提案型セレクトショップ」というコンセプトと、自分のライフスタイルをテーマにブログを作っている人が「オールアバウトスタイルストア」の商品をリンクすることで口コミ効果が期待できる。また、同社だけでは「行き届かなかったところで提案ができる」(同)という利点があるという。
■BtoCのEC市場規模は5兆6430億円に
モール型のショッピングサイトでは、すでに楽天がアフィリエイトを開始しているが、今年7月にはヤフーが「ヤフーショッピング」のアフィリエイトを本格開始した。
同社では、口コミ効果の高いブログでのリンクも見込めることから、アフィリエイトを「重要なチャネル」(松本真尚・ショッピング事業部長)と位置づけている。ヤフーは今年6月、アフィリエイトサービスプロバイダのバリューコマースと資本・事業提携しており、「ヤフージャパン」全体におけるシナジー効果を高めるため、さらにアフィリエイトに力を入れていく方針だ。
ポータルサイト「ヤフージャパン」にとっては、「買い物目的ではヤフーに来ない人をリーチする」(ショッピング事業部ショッピング企画室の水本慎太郎氏)狙いがある。アフィリエイトの効果は、「当初見込んでいたよりも好調」(同)なことから、「ヤフーショッピング」全体の売上高のうち、アフィリエイトサイト経由が「早期に2-3割を占めるようになる」(同)と見ている。
このほか、パソコン専門店のサクセスは、ネットショップ「ピーシーサクセス」で昨年末の旅行シーズンに大手旅行会社約5社のサイトに特化したアフィリエイトプログラムを提供したところ、「主婦などの女性層が当社のサイトに訪れるようになった。新しい顧客層をサイトユーザーとして獲得できるという点で効果的」(谷口怜・取締役営業部門担当)だったという。アフィリエイトプログラムは、新規顧客の開拓に一役買っているようだ。
今年6月に経済産業省、次世代電子商取引推進協議会(ECOM)、NTTデータ経営研究所が発表した04年の「電子商取引に関する実態・市場規模調査」では、BtoC(企業対個人)のEC市場規模(モバイル含む)は、前年比28%増の5兆6430億円に拡大し、ブログに代表される消費者自らの情報発信と連動したアフィリエイトプログラムの積極活用も多く見られたとしている。
ソニースタイル・ジャパンが8月18日に発表した「ショッピング・パレット」の会員38万人を対象にした調査では、月に1回以上ネットショッピングをする人は全体の45%を占め、そのうち月に1-3回購入するユーザーが91%を占めることが分かった。
ネットショッピングの拡大に合わせ、購買を検討している人はユーザーの口コミ情報などをネットで手軽にキャッチし、店頭に行かなくても購買意志を固める傾向が強まっている。ECサイトは、個人間の情報流通をアフィリエイトによって加速することで、販売網を拡大できる。今後、ECサイトにとって重要なチャネルに成長することは間違いなさそうだ。
EC(電子商取引)市場の拡大に合わせ、各種ECサイトはブログなどによる個人の生の声を情報源とする消費者行動に着目し、アフィリエイトプログラム(アソシエイトプログラム)による流通チャネルの強化に相次ぎ乗り出している。パソコンサイトのほか、携帯サイトでのアフィリエイト対応に力を入れる企業も出てきており、今後、アフィリエイトによる流通チャネルの拡大が予想される。(田澤理恵●取材/文)
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