その他
単価の下落続くパソコン市場
2005/11/14 14:53
週刊BCN 2005年11月14日vol.1113掲載
AVに加え新たな訴求策を
個人向けパソコンの店頭販売が好調に推移している。BCNランキングによれば、パソコンメーカー各社の05年夏商戦向けモデルが出揃った5月の販売台数はデスクトップで前年同月比2%増、ノートパソコンで同7%増。6月にはデスクトップの伸び率が7%増、ノートで8%増と高まった。夏商戦本番を迎えた7─8月にはデスクトップ、ノートとも13─14%増と2ケタの伸び率を示した。
この傾向は、秋冬商戦向けモデルが発売となった9月も変わらず、デスクトップで14%増、ノートで10%増で推移。10月はデスクトップで8%増、ノートで10%増と、直近6か月間はコンスタントに前年同月を上回っている状況だ。
電子情報技術産業協会(JEITA)がこのほど発表した国内パソコン出荷実績でも、05年度第2四半期が台数ベースで前年同期比10%増の313万5000台と10四半期連続でプラス成長を遂げた。プラスになった要因として、法人市場で昨年度からパソコンを含めたIT投資を行う企業が増大していることに加え、個人市場でも需要が一段落する夏のボーナス商戦以降も、売れ行きが活況を呈しているためと分析している。
好調の理由について流通では「パソコン購入者がテレビチューナーなどAV(音響・映像)機能を当たり前の機能として認知してきた」ことや、「テレビパソコンのなかでも、ノート型の購入が増えている。家庭内で気軽に持ち運べる利便性の良さから、主婦が家事を行っている最中にノートパソコンでテレビを視聴したいというニーズや、リビングでの〝チャンネル争い〟を避けて自分の部屋でテレビを見る父親や子供も増えている」と指摘する。個人ユーザーのニーズ多様化が、パソコンの市場拡大に結びついているというわけだ。
このように台数ベースではパソコン市場が拡大傾向に向かっている。しかし、依然として課題になっているのは販売金額の落ち込みだ。今年5月はデスクトップで前年同月比11%減、ノートで同6%減。6月以降も前年割れが続いており、10月ではデスクトップで11%減、ノートで5%減と、台数は伸びても金額が伸び悩むという状況が続く。
これは、映像需要の広がりとともに、テレビチューナー付きパソコンが主流になる一方で、パソコン購入者のほとんどが買い替えで、「できるだけ安いパソコンを選択するという考えが根付いている」(ショップ関係者)からだ。
ショップでは、「パソコンを拡販するには、液晶テレビとDVDレコーダーを購入するよりも値ごろ感がある価格を提示しなければならない」と指摘する。冬のボーナス商戦で需要がピークになる12月については、「今年は、OSやCPUなどハードウェアとソフトウェアの基本的な機能では目新しいものが出てこない。薄型テレビやDVDレコーダーの価格がリーズナブルになりつつあるため、パソコンの売上高が昨年より伸びることを期待するのは難しいだろう」と見通す。
各社が発売している機種のなかには、NECのように視聴ソフト「メディアガレージ」を組み込むことで総合動画ポータルサイト「ビッグローブストリーム」にリモコンで簡単につながることを訴求する製品や、ソニーのように「フェリカ」機能の搭載でネットショップでの買い物を電子マネーで決済できるモデルなど、AV機能以外で拡販に活路を見いだす動きも出始めている。
こうした新たな機能による利便性を訴求し、パソコンが単純に〝液晶テレビやDVDレコーダーを組み合わせた商品〟ではない点をアピールしていくことが、価値低減に歯止めをかける重要なカギの1つといえそうだ。 佐相彰彦●取材/文
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