その他
NECパーソナルプロダクツ 米沢事業所 民間企業が主導で産学官連携
2006/09/11 21:10
週刊BCN 2006年09月11日vol.1153掲載
地元工業高校にJava教育も
山形県米沢市にあるNECパーソナルプロダクツのパソコン生産工場である米沢事業所。同事業所では、パソコンの生産だけにとどまらず、企業内ベンチャーとして独自事業を実施。アミューズメント事業を中心に現在350億円の売り上げをあげる。独自事業の一環として進めているのが、地域コミュニティ、地元の学校、自治体などとの連携だ。
米沢事業所の自主事業を推進する柴田孝執行役員は、「携帯電話で有名なノキアが誕生したフィンランドのオウルの例をみると、ノキアという民間企業にオウル大学が協力して携帯電話事業が発展した。その結果、その地域では教育の重要性が理解されて自治体が教育に注力し、地域が地元企業のテスト顧客になるといった産学官連携が生まれた。民間企業がクラスターとなって産学官連携を進めることで、地域にとっても、教育機関にとってもプラスになる成果が生まれる」と説明する。
平成13年に誕生した米沢ビジネスネットワークオフィスには、山形県、米沢市、山形大学の支援のもと、NECパーソナルプロダクツをはじめ地元の民間企業が中心となって活動している。活動の柱は、「医療福祉の拡充」「地域企業の活性化」「IT社会に向けた地域教育の提言」「地域経営のトライアル」という4つで、新ビジネスモデルの創出を目標とする。
そのひとつの成果が、米沢工業高等学校の情報技術コース専攻科開設である。
「民間企業が必要とする人材が、教育現場で育成されていないという実態がある。例えば、日本企業が重視している組み込み技術の研究が大学ではほとんどなされていない。民間企業が協力することで、実践的で質の高い教育を実現することができる。米沢工業高校の専攻科に対しては、Java技術の教育で協力し、当社やサン・マイクロシステムズへの研修も実現した。卒業生のレベルは高く、やり方を変えれば地元の教育も変わっていくという手応えを感じている」(柴田執行役員)。
実際に、第一期卒業生のうち1人は、通常は高校卒業者を受け入れていないNECパーソナルプロダクツで、専攻科の卒業生を採用している。これは、「とにかく、試験だけでも受けさせてくれとの申し入れを受けて、試験を行ったところ、専門技術では抜群の成績をとったため」だという。
今後は米沢だけでなく、宮城県、岩手県など東北地区の自治体や教育機関との連携も計画中。「いずれも、改革派の知事の自治体で、宮城県では教育機関はあるものの、民間企業が弱いといった問題点を抱えている。ビジネスモデルが確立できれば、他の県にも波及するのではないか」(柴田執行役員)とみている。
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