その他
ネット通販関連のIT投資が活発化
2006/09/11 14:53
週刊BCN 2006年09月11日vol.1153掲載
好業績を上げるITベンダーも出現
ネット通販にまつわるIT投資が旺盛だ。ECやCRMなど関連システムの引き合いが急増しており、好業績を上げるITベンダーも現れている。
2000年頃のネットバブル期にネット通販を導入した企業がWeb2.0に代表される新しいコンセプトや最新のネット広告などに対応したシステムへと相次いで刷新。ヤフーや楽天といった大手ショッピングモールを活用して成長したショップが自前でネット通販システムを立ち上げる動きが活発化していることなどが、新規IT投資に結びついている。
とりわけコンシューマをターゲットとするB2C型企業のIT投資が増えており、ネット通販が社会に定着したことを示している。
昨年のB2C型ネット通販の市場規模は約3・5兆円で、「ここ数年は10─30%の勢いで成長している」と、ECの活性化を推進する次世代電子商取引推進協議会(ECOM)では分析する。ネット通販のインフラをASP方式で提供するEストアーの石村賢一社長は「体感的にはここ数年、1・7倍くらいで伸びている」と、ネット通販での取引金額が急速に拡大していると話す。
ネット通販業者は統計数値以上に、実ビジネスを通じて確かな手応えを得ているものと思われる。
SIerのネット通販システムの売上高も好調だ。アイティフォーのネット通販システムの昨年度(06年3月期)売上高は前年度比68%増と大幅に伸び、ソフトクリエイトもネット通販システムを中心とするSIサービスが70%も伸びた。SIを伴う大型投資を行っても十分採算が合うネット通販サイトが増えていることが、伸びを支える背景にある。
CRMシステム開発のエンプレックスもB2C型企業の需要拡大による追い風などを受けて昨年度(05年11月期)売上高が前年度比約50%増の15億円近くに到達。初期のネット通販が盛り上がった00年頃に関連投資を行った企業の「システムの更新時期と重なっている」(沢登秀明社長)ことも、プラスに働いている。
ERP開発ベンダーのイリイは、次期主力製品のメインターゲットをB2C型企業に位置づける。年度内に完成予定の次期製品は持ち前のCTI技術を生かした完全ウェブ対応の業務アプリケーションになる見通しで、「ネット通販などを手がけるB2C型企業を意識」(青沼克一取締役)したつくりにする方針だ。
クライアント・サーバー方式の財務会計や給与計算などオーソドックスな業務アプリケーションだけでは競合他社との差別化は難しい。伸びが見込めるB2C型企業にターゲットを絞ることで、優位性を発揮し業績伸長に結びつける考えだ。
ネット上ではWeb2.0など目覚ましい変化が起きており、ネット通販もこうした動きを積極的に取り込んでいくことが求められる。
アクセス環境もパソコン用に設計されたウェブページをそのまま携帯電話やスマートフォンで閲覧できる“フルブラウザ対応”やインターネットテレビなどが増えており、時代を先取りする最新技術をいかに早く提供できるか否かが、ITベンダーの優劣を左右しそうだ。
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