米マカフィーのコンシューマ事業を担当するトッド・ゲブハート・シニアバイスプレジデント（SVP）が、コンシューマ向けセキュリティソフト「マカフィー2007シリーズ」の発表に合わせて来日。本紙のインタビューに対し、日本市場への意欲を示すとともに、マイクロソフトのセキュリティサービス「OneCare（ワンケア）」や、新OS「Windows Vista（ビスタ）」についての持論を展開した。

　──日本市場に再参入して約3年が経つ。日本法人のコンシューマ事業の実績をどう評価しているか。

　「予想以上の成果を上げている。昨年度、コンシューマ事業は64％増で伸びたし、ISPやPCメーカーとの協業も強固になり、販路もほぼ整備されている。期待以上に順調だ」

　──日本のマーケットの特徴は。

　「日本は、米国よりも家電量販店などの店頭で購入するユーザーの比率が高い。米国では、ISPやPCのバンドルからユーザーになるケースが多く、店頭でパッケージを購入する比率は全体の30－35％にとどまる。この購入経路の違いが、日本と米国の差だ」

　──マカフィーの店頭でのマーケットシェアは低い。店頭での販売増加が今後力を注ぐ分野になるのか。

　「店頭だけを特別に力を入れるわけではない。ISPやPCバンドル、ダウンロード販売と同様の扱いでそれぞれを強化する。ただ、米国では数年前までは店頭での購入比率が高かったが、その後、徐々に下がってきた。日本でも米国と同様の動きが今後考えられる。今は店頭での販売比率が高いが、今後ISPやPCバンドル経由のユーザー獲得が増えてくるとみている」

　──今後の日本法人でのビジネス目標は。

　「シェアなど具体的なことは言えない。ただ、昨年度と同等の伸び率は最低でも達成したい」

　──マイクロソフトの「OneCare」がリリースされるインパクトは。

　「米国では6月にOneCareの販売が始まった。マイクロソフトがプロモーションを大々的に仕掛けた時期は伸びたが、その伸び率が続いているわけではない。日本でも同様の動きが予測される。それに、機能面でマカフィーはOneCareに圧倒的に勝る。ユーザーもその機能の違いに気づくはずだ。心配していない」

　──「Windows Vista」にもセキュリティ関連の新機能が搭載される。

　「もっとも問題に感じているのは、マイクロソフトがVistaを活用すればセキュリティ対策が万全のようなメッセージを発信していることだ。Vistaには何があって、何がないのかをしっかりと説明してくれないとユーザーに混乱を与えかねない」