日本事務器（NJC、大塚孝一社長）は、内部統制関連ソリューションを自社製品・サービスなどと組み合わせて体系化、「Trsut Plus（トラスト プラス）」（仮称）のブランド名で営業活動を積極化させる。年内に正式ブランド名の決定や具体的製品・サービスを詰める。「金融商品取引法」の成立から、内部統制関連需要が上場企業だけでなく取引先である非上場の中堅・中小企業（SMB）でも増えると判断。この需要を見越しビジネス推進体制を固めた。

　内部統制環境整備のための業務やシステムは多岐にわたる。実現のために必要な項目に対する製品・サービスを体系立てることで、ユーザー企業に分かりやすく提案する狙いがある。金融商品取引法の成立により、上場企業は内部統制の基盤整備を余儀なくされたが、「上場企業の関連会社や取引のある中堅・中小企業でも需要が来年度以降活発化する」（田中啓一常務取締役）と判断。NJCの主要顧客層は中堅・中小企業で、内部統制関連ビジネスを推進するための体制固めに動いた。

　具体的には、（1）コンサルティング（2）文書化支援（3）業務処理統制支援（4）IT全般統制（5）IT企画構築・利活用支援の5項目とした。一連の製品・サービスを「Trust Plus」としてブランド化し提案活動を図っていく。

　コンサルティングサービスの提供については監査法人などとの連携をとるが、その他の項目では基本的にNJCが持つ製品・サービスを組み合わせて販売する。IT全般統制では、セキュリティソリューションブランド「Seplus（セプラス）」を中核にした。IT企画構築・利活用では子会社のNJCネットコミュニケーションズの監視・運用サービスなども取り込んだ。ERPについては、自社開発の「CORE Plus（コアプラス）」ほか、NECの中堅企業向けERP「EXPLANNER Ai（エクスプランナー アイ）」も提案していく。文書化支援では、支援ツールとして「iGrafix Flow Charter2006 SOX＋」を使い、文書管理システムは今後他社製品を調達してメニュー化する予定だ。

　NJCでは、10月1日に内部統制関連事業を推進することなどを目的として新事業本部「プラットフォーム＆サービス事業本部」を設立。また、自社の内部統制基盤を整備するために田中常務をトップとした専門部署「内部統制対策部」を同日付で設置した。自社で内部統制に取り組むことで、ノウハウ・知識を蓄積。顧客への提案力を高めるのが狙いだ。田中常務は、「自社の体制整備のノウハウを武器に、顧客への説得力を高めたい」と話している。