サブノート分野で第1号製品　ソニーは、法人向けPC事業を本格化させる。法人向けモデルおよび法人向けサービスの新たな名称として「VAIO BUSINESS」を採用。直販を含むビジネス向け販路を開拓するほか、ウェブ販売および電話による企業向け販売を強化する。第1号製品として、ビジネスモバイル向けノートPCのVAIO typeGを投入する。

　ソニーは、2001年11月からビジネス用途での利用を視野に入れた展開を開始。04年にビジネス向け専用モデルとして、VAIO typeBを投入。05年にはtypeBXを発売するなど、企業向けPC事業の地盤を築いてきた経緯がある。

　「VAIOは、個人向けエンターテインメントPCを基本コンセプトに開発してきたが、ユーザーの間からは、オフィスでも使いたいという声は根強かった。これまでは、ビジネスシーンでのパーソナルな活用という領域にとどまっていたが、今後は、情報システム部門が主導で一括導入するといった企業向け分野にも本格的に参入する」（ソニー）としている。

　発売するtypeGは、サブ（ビジネスモバイル）ノートに含まれる製品で、いわば、松下電器産業がLet'snoteで先行する分野。店頭販売モデル、ウェブによるVAIO・OWNER・MADEモデルに加えて、法人向け標準仕様モデル、法人向けカスタマイズモデルをそれぞれ用意する。

　同社では、約1300社の聞き取り調査を実施し、これを製品に反映。ソニーが得意とするサブノートの技術を生かし、12.1インチ液晶搭載モデルとしては、最軽量となる898グラムを実現したほか、12時間連続バッテリ駆動によるスタミナを達成。さらに、堅牢性、信頼性を実現するために、120キログラムの平面加圧振動にも耐えうる構造を採用したほか、机の上から落下させても正常に動作するといった試験もクリアしている。

　天板、パームレスト、ボトム部分にカーボンを採用する3面マルチレイヤーカーボンによる堅牢な筐体を採用。「G BODY」の名称を使い、従来のマグネシウム合金に比べて、約30％の重量を落としながら、約2倍の強度を実現していることを訴える。

　CPUには、Core Soloプロセッサを採用。80GBのHDDを搭載した1スピンドルモデルと、これにDVDスーパーマルチドライブを搭載した2スピンドルモデルを用意。価格はVAIO・OWNER・MADEモデルで16万5000円から。CPUやHDDなどの選択も可能。

　法人向け標準仕様モデルには、3年間の引き取り修理保証を新たに適用する。

　また、300社の企業を対象に無償貸し出しを行い、体感レポートをウェブ上で紹介するGトライアルキャンペーンも開始する。

　外出先、顧客訪問先でPCを使用するユーザーを主要ターゲットとしており、「ディストリビュータ、ダイレクト営業ルートの強化に加え、ウェブ販売、電話による企業向け販売の強化にも乗り出す」としている。