KVMスイッチメーカーの米アボセント（ジョン・R・クーパー会長兼CEO）は、日本市場で一般オフィスへの導入を加速させる。なかでも、SMB（中堅・中小企業）で需要が眠っていると判断しており、販売代理店とのパートナーシップを深めていくことでユーザー企業を増やしていく方針だ。

　日本市場での顧客は、これまでデータセンターや通信事業者などサービスプロバイダが中心という。

　クーパー会長兼CEOは、「日本の企業は、ブロードバンドなど最新の技術を駆使した製品を導入できる環境が整っている。しかも、コンプライアンスの点からサーバールーム無人化のニーズが高まっている。情報管理を切り口にパートナー企業とのアライアンスを強化し、KVMスイッチベースのさまざまなソリューションを提供することで日本市場での業績を伸ばす」と構想を語る。

　アライアンス強化策のひとつとして、これまで顧客として獲得してきたデータセンターを通じて情報管理のASPサービスを提供することを計画。これにより、SMBを開拓していく。

　「J－SOX法が施行予定であることから、企業規模を問わず内部統制への関心が高い。とはいえ、SMBは低コストでなければシステムを導入できないという問題を抱えている。そこで、データセンターにサーバー管理をアウトソーシングするという傾向が高まってくるのではないか」とみている。

　こうした予測と販売施策をもとに、日本市場での売上高を、来年度（2007年12月期）は前年度の2倍以上と、一気に増やすことを目指している。

　また、昨年にクライアント管理ソフトメーカーのランデスクを買収したことにより、「クライアント管理では、一般オフィスのユーザー企業を獲得した。こうした顧客に対して、KVMスイッチを販売していく」。

　現段階では、サーバーの遠隔操作が可能な機能とクライアント管理機能を組み合わせたプラットフォームの開発を進めている。

　クーパー会長兼CEOは、「来年半ばには、第一弾の製品を市場に投入できる。この製品により、販売代理店が一段とソリューションを提供しやすい環境を整えていく」としている。