インテリジェントウェイブ（IWI、山本祥之社長）は、情報漏えい対策などの内部セキュリティ総合ソフト「CWAT（シーワット）」の直接販売を始める。販売代理店を経由した間接販売も継続する。IWIが大企業に販売し、代理店が中堅・中小企業に営業展開する形で棲み分ける。今年度（2007年6月期）のCWATの売上高目標は20－24億円だが、直販と間接販売の比率は半々になると予測している。

　IWIは直販で、各業種のトップ5にターゲットを絞る。とくに、銀行、保険、製造業、化学、建設業を狙うという。大企業で納入した実績を武器にして信頼性と認知度を高める。CWATはパッケージソフトだが、大企業で導入する際は「詳細な説明と、大規模なカスタマイズ開発が必要不可欠で、直販でアプローチしなければ案件獲得は難しい」（山形浩一・執行役員セキュリティシステム事業部マーケティング部部長）と判断したため、直販に切り替えることにした。15人ほどの営業部隊で拡販する。

　一方、従来行っていた間接販売も継続する。株式を公開する中堅企業・中小企業をターゲットとすることでIWIの直販との重複を避ける。IWIは、直販の開始とともに、パートナー制度も見直した。1次代理店にあたる「ディストリビューションパートナー」と2次代理店の「ソリューションパートナー」に代理店を区分けする。ディストリビューションパートナーは、さらに販売額のコミットメント（必達目標）数値や専任技術者数の確保などに応じて、3種類に分けた。

　最上位パートナー「プラチナパートナー」には、NTTコミュニケーションズやサンテレホン、富士通エフ・アイ・ピー（FIP）など8社。製品を販売する際は、必ずディストリビューションパートナーから調達しなければならない仕組みとした。

　CWATの昨年度（06年6月期）売り上げ実績は、16億9000万円で前年度に比べ7億6500万円の増加となった。営業損益は赤字から黒字へと転換したが、目標数値には若干届かなかった。今年度は“日本版SOX法”や「新会社法」による内部統制が需要を喚起するとして20－24億円の売上目標を立てている。このうち、「半分は直販になるだろう」と山形執行役員は予測している。