ネットワーク系SIerのネットマークス（大橋純社長）は、サポート・サービス事業の拡大を図る。ネットワーク機器の販売が厳しいことから、今年度（2007年3月期）の中間決算は減収で赤字幅が広がったが、今後は利益率が高い事業の成長で業績不振を打破する。サポート・サービスの売上比率は、早い段階で25％を目指す方針。

　サポート・サービス事業では、直販による顧客企業の増加で保守案件を増やしていくほか、大手メーカーや通信事業者の法人部門などとのアライアンス強化で、同社が保守を請け負う体制基盤を整えていく。

　同事業は、今年度中間期に売上高が52億4800万円（前年同期比5.7％増）となった。大橋社長は、「収益源として順調に拡大している。今後は、従来の保守運用に加え、IPテレフォニーや内部統制を切り口としたセキュリティ事業など成長しつつある分野のビジネスと連携させた新しいサービスを開発していく」と語る。

　ネットワークインテグレーション事業との連動性を高めるための組織再編にも取り組んでいく。まずは、今年度にサポート・サービス事業の売上比率として19％を見込み、「近い将来に25％まで引き上げる」としている。

　同社は、今年度中間期の連結業績が売上高230億1800万円（前年同期比6.0％減）と減収、営業損失6億2500万円（前年同期は1億7300万円）、経常損失8億100万円（同2億1800万円）、最終損失で16億1400万円（同2億5500万円）と赤字幅が広がった。

　機器販売を中心としたネットワークインテグレーション事業は、厳しい状況が続いているほか、「メーカーの寡占化が顕著にあらわれている」ためだ。同社によれば、新規に参入する海外メーカーは増えているものの、ニッチ市場でのビジネス展開が多いという。また、NGN（次世代ネットワーク）を切り口に国内メーカーが再び頭角をあらわし始めているが、現段階ではキャリア市場が中心となる。そのため、ネットワーク系SIerにとっては「シスコシステムズやジュニパーネットワークスなど海外の大手メーカーに集中しなければならない。いかに有力メーカーとのパートナーシップを深めていくかが重要」としている。