EMCジャパン（ナイハイゼル・エドワード社長）は、販売目標の設定で報奨金を増やすなど販売代理店への支援策を強化する。今年に入り、代理店支援制度「ヴェロシティプログラム」を立ち上げ、本格的に間接販売の拡大に力を入れ始めた。支援策の強化で、代理店の増加やパートナーシップを深めることにつなげる。

　「ヴェロシティプログラム」で強化したのは販売代理店への報奨金制度。代理店各社が売上金額などを設定し、その販売目標を達成すればインセンティブを高めるというものだ。販売代理店が目標を達成できるように、EMCジャパンでは間接営業の人員を増やす。エドワード社長は、「これまでは、全社員の15％程度だった間接販売を担う営業担当者の比率を、今年10月に60％まで増やした」としている。

　加えて、EMCジャパンと販売代理店が共同で事業プランを設定し、顧客ニーズに対応した新しいシステム・サービスの創出にも力を注いでいる。販売代理店が技術や販売のセミナーやトレーニングを通じて、自社の製品とEMCのストレージ機器を組み合わせて最適なシステムを提供できる支援プログラムとして「ASN（オーソライズド・サービス・ネットワーク）」を設置して、パートナーシップの強化を進めている。

　EMCジャパンは、昨年まで直販を中心にビジネスを展開してきたが、今年から間接販売を強化することで売上規模の拡大を図っている。これにより、今年1－9月の9か月間で間接販売の売上高が前年同期比9％増となった。通期では前年度比2ケタの成長を見込んでいる。

　また、代理店の販売意欲を喚起することを目的として、販売実績が高かった代理店を表彰する「EMCパートナーアワード2006」を初めて開催し、6社を表彰した。最上位のパートナープログラム「シグニチャパートナー」で伊藤忠テクノソリューションズ（CTC）、製品・サービス提供の「プレミアパートナー」でパナソニックソリューションテクノロジーが選ばれたほか、IPストレージ機器を多く販売した「ベストIPストレージパートナー」としてNEC、ベストディストリビュータでCTCエスピー、ソフトウェアの拡販に貢献した企業としてネットジャパン、優秀な2次代理店として通菱テクニカなどが受賞した。

　エドワード社長は、「パートナー戦略を拡大していくなかで今回のアワードは販売代理店との“温度差”をチェックするものだった。受賞企業が喜んでくれたという点では、実施したかいがあったのではないか」とみている。