半導体やボード製品などを販売する東京エレクトロンデバイス（砂川俊昭社長）は、今年10月1日に親会社の東京エレクトロン（TEL）からコンピュータ・ネットワーク（CN）事業を継承し、主力の電子部品事業との相乗効果が発揮できるビジネスモデルを模索している。電子部品の顧客企業に対してネットワークやストレージをベースとしたシステム提案など、CN事業の新規ユーザーを開拓することで、売り上げの拡大につなげていく方針。

　東京エレクトロングループでは、CN事業の売上高が今年度（2007年3月期）中間期で84億4800万円（前年同期比2.1％増）と堅調に伸びた。東京エレクトロンデバイスの砂川社長は、「半導体やボード製品の既存顧客で、自社に適したコンピュータやネットワークの機器導入を求めるケースもある。まずは、こうした企業に対してシステム提案を行っていくことで新規顧客を開拓する」としている。東京エレクトロン時代からCN事業を統括している天野勝之・執行役員CN事業本部長は、「コンピュータとネットワークのすき間を埋めるような商品力に加え、販売力の強化が図れるようになった。複数の製品やシステム構築に対応することにより、競合他社との差別化を図っていく」と意欲を示す。

　通期では、CN事業の売上高がグループ全体で170億円（前年度比2.8％増）になる見込み。砂川社長は、「成長を維持していくためには、次のステップでは主体性のある事業を確立していかなければならない。来年度は、CN事業も含めて中期計画を策定する」としている。電子部品とCNそれぞれの事業で収益性を高め、しかも事業間の連携が強化できれば、全社の企業規模が一段と拡大する見通しだ。